この中国の大きな方向転換は、日本にとっては武力より脅威なことで、いま日本が囚われている「古い日本式システム」をあたらしい中国は猛スピードで凌駕し、結果本当にフェアに開かれた先進的大国が、すぐに隣に出現することになってしまいます。そのためには、まず腐敗を徹底的に正す必要がいまの中国にはあるのです。
特に現代の国家ブランディングにおいて、ソフトパワーの要となるコンテンツ産業は最重要事項なのは言うまでもなく、「古い中国式システム」そのもので反社会組織ともつながりがある中国芸能界に、今回は徹底的にメスを入れています。その中国芸能界トップに君臨するのが曽慶紅の弟、曽慶淮です。曽慶淮は返還後の香港を拠点にした中国芸能界の大ボスで、すでに配下の製作会社は摘発を受け、事実上廃業状態にあります。また、昵懇であった中央テレビのプロデューサーにも逮捕が及んでおり、中国芸能界、マスメディア界のアンフェアで不透明な体制が一気に変わろうとしています。
最近、表面化し国際的な報道にある出火不明の爆発や火事、そして通貨の暴落まで引き起こしている背景は、「古い中国式システム」を堅持したい江沢民一派が中心であることはまちがいなく、その江沢民には1兆円を超える潤沢な資産と警察組織と蛇頭(反社会組織)を配下に抱えていますので、今後中国全土で様々な騒ぎが起きると思いますし、もしかしたら、東アジア全般に火の手が上がる可能性もあります。
僕は、先月突如として李国強首相が、日本の国家安全保障局の谷内正太郎局長と会ったのは、もうじき具体的ななにかが起きることを暗示していると考えています。それは半島有事か、中国軍部の暴走か、経済的問題なのか定かではありませんが、大事であることは確かです。そうじゃなければ、首相が一局長と会うようなことは、メンツを重んじる中国では絶対にありません。
このような動向は、大きくなる内戦の予兆なのか、習近平の独裁政治体制に向かうのか、それとも開かれた国家としての中国の第一歩となるのか、まだわかりません。
現在、中国は火器を用いない内戦状態にあることは確かです。それによって大きな影響を受ける世界は、もう「新時代」に突入したことも確かなのです。
『高城未来研究所「Future Report」』より一部抜粋
著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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