この仕事をしていると、「市議会議員の仕事ってなに?」ということをよく聞かれます。いろいろあるのですが、私達の最も重要な仕事、それは『採決』、つまり市民の皆さんからお預かりした税金の使い道(予算)や様々な政策を実現するためのルール(条例)に対して議員ひとりひとりが市民を代表して賛成・反対を判断し、多数決で市の意思を決めることだと考えます。吹田市では年に4回定例会が開催され、そのたびに私たちは様々な案件について賛否の判断を求められます。
建設的な議論の場としての議会
もちろん政策立案も大事ですが、予算編成権と人事権を市長が持つ地方自治体では私たちは提案や要望しかできず、その実現可能性は市長次第となります。その反面、地方自治法によって議会に与えられた議決権は、市において絶大な力を持つ市長を唯一抑制できる力であり、その議決権の適切な行使こそが二元代表制という地方自治の制度の中で議員の最も重要な仕事だと考えるのです。
議員になって力を尽くした大きな案件のひとつに、平成23年9月定例会において上程された地下水汚染浄化対策事業として計上された32億円の公共事業補正予算があります。市の調査の結果、汚染原因と考えられる企業は特定できているのですが、なぜかその責任や負担を明確にしないままの予算付けであり、市が対策を行う法的根拠も非常に微妙なものでした。そのまま予算が通れば、汚染原因が市でないにもかかわらず、全額市民負担での事業となる可能性があり、明らかに税の支出としておかしく、市民の納得が得られないと考えたため、多数決で否決となる為の議論を行いました。まず本会議の質疑で問題点を全議員の前で挙げ、次に委員会の質疑で職員が説く正当性を崩し、委員会休憩中などに他の会派(政党)の議員を説得して回り、最終的に予算修正案を提出しました。その結果、過半数の議員がこの事業に反対の意思を示し、32億円の税支出を止めることができました。これは市長の政策推進がおかしいときに議会が抑止できた一つの例ですが、同様に止めることができた案件もあれば、残念ながらできなかったものもあります。
自治体ごとに様々な問題があり、そのひとつひとつに議員は判断を下しています。演説やビラで書いていることよりも、その判断こそが政治家を選ぶひとつの指標となるのです。笑い話のような話ですが吹田では議員報酬3割削減を選挙の際の政策にしていたある議員が、報酬1割削減の条例案にすら反対したということもあるくらいです。
政治家にとって無所属の強みとは
議員ひとりひとりの判断が多数決の結果となり、市の方向性を決めていくことになるので、よりよい採決の結果となるよう私達議員は行動していく必要があります。このような議員活動を行う際に、私には3つ強みがあります。ひとつは私が無所属であるということ。無所属なので案件によって自民党や公明党と協力することもあれば民主党や共産党と協力することもあり、純粋に吹田全体にとってよいと考える判断を行い行動することができます。ふたつめは特定の団体や政党からの応援を受けていないということです。特定の団体などの支持がないと選挙においては大変というデメリットもありますが、いざ議員として採決を行う際には、なににも縛られることなく純粋に吹田市全体の利益を最優先に判断ができますし、他の議員も「あいつは全体の利益を考えて行動している」と判断してくださいます。みっつめは共通の想いを持つ3名の会派(チーム)で議論をしながら活動しているということです。1人では思い通りに動けますが、議会においてほとんど影響力を持つことができません。しかし想いが同じ仲間がいれば、自分の考えと採決における判断を一致させることができつつ、多数決において大事な数の力も持つことができます。
わたしは「おかしいやんを変える政治」というものを志して政治の世界に入りました。おかしいと感じる状況をなくし、みなさんから集めた税金をしっかりと納得できる形で使う、あるいは市民が誇りに思えるような政治を行う。議会不要論というものも存在しますが、議会が本来の働きをすれば必ず市民の利益になるはずです。議員は別に特権階級でもなんでもなく、市民の代表として、市民の為の判断をするために存在するのですから。この4年間で様々な経験と勉強をさせていただいたなかで、このことを確信したので、まずは吹田において、先ほどの強みを最大限活かしながら、今までとは異なる新しい政治のモデルを創っていきます。
結びになりますが、市議会議員を選ぶということは、みなさんが納める税金の使い道を決めるということにおいても非常に重要な事なので、是非選挙に行ってくださいますようお願いいたします。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。