フラッシュバック 90s【Report.37】SEALDSの解散に送る言葉~24時間営業が生み出した彼らへのメッセージ~
- 2016/8/26
- 政治, 社会
- 90s, feature3
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24時間常に「オン」の社会に組み込まれた「オフ」
私たちの「オフ」は常時「オン」の社会の中に組み込まれていきます。
どういうことかといえば、私たちの「オフ」もまた、社会の1つの要素として消費されていくということです。「レジャー産業」などという言葉を聴いたこともあるでしょうし、浦安のテーマパークなどは、まさに、「オン」の社会に組み込まれ、私たちの「オフ」を消費させます。
逆に、社会に組み込まれていない「オフ」を満喫するには、ある意味、社会の疎外者にならなければなりません。
これを私は「オフの過ごし方問題」として提唱したいと思っています。
現代は疎外者がつながりやすい時代
「オフの過ごし方問題」の現代的な特徴は、何より、疎外者どうしがつながりやすくなったことです。
インターネットはそれを加速つけました。90年代以前からも、一部マニアックなカルチャーでは、そういうつながる要素を持っていましたが、インターネットやそれに伴うイノベーションでさらに容易に、そして、大量に動員可能になりました。
何でつながるかは全く自由です。オタク趣味、音楽、お酒、あるいは政治活動。今のフェス文化やあるいはデモの再興といったところは、この辺の「オフの過ごし方問題」の1つのアンサーと捉えられなくもないでしょう。
ただ、疎外者たちの目標は、疎外されている感覚を共有する以上でも以下でもありません。
SEALDSはこの文脈で生まれてきたと私は思っています。
SEALDSの残した足跡
SEALDSも、今年、2016年の8月15日をもって解散したとのことです。
その特設ページの文章を読んでみると、2・26事件の「原隊に帰れ」や薬害エイズ事件時に小林よしのりが学生に送った「日常に帰れ」といったメッセージと同じ内容を含んでいるようにも見えます。
彼らにとって、「オフ」の活動だったSEALDSが社会の「オン」に取り込まれていく過程の中で、社会の疎外者から、いつの間にかトレンドとなってしまっていったのです。
社会の「オン」に取り込まれてしまった疎外者たちが選ぶ道は2つに1つです。消費され続けるサイクルに耐えうる強さを持つか、解散するか。
SEALDSは後者を選びました。
「オフの過ごし方問題」はSEALDSだけのものではない!
SEALDSが解散した後も、「オフの過ごし方問題」は残っています。
私たちの「オン」と「オフ」はいずれも、この高度消費社会を回転させ続けるために、「オン」で提供した労働力に対して得た対価を、「オフ」で仕組みの中で消費させられていくサイクルに組み込まれています。
そう考えれば、SEALDSの解散は最後の抵抗だったのかもしれません。
いずれにしても、長いようで短かった彼らの活動に乾杯!
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