フラッシュバック 90s【Report.36】18歳から投票できる参議院選挙、無党派層はどう動く?(分析編)
- 2016/6/15
- 政治, 社会
- 90s, feature3
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今年の夏、参議院選挙が行われる、いわば「選挙の夏」になります。
W選挙もうわさされましたが、6月6日の段階でその話題は少し下火になりつつあります。
それもそのはずで、2つの大きな選挙で与党に不利な結果が出ています。
与党が不利な現状① 和歌山市御坊市長選挙
まずは、こちらのニュース。
5月22日に行われた、和歌山県は御坊市の市長選挙。
現在の自民党総務会長である二階俊博氏の長男、俊樹氏と、現職の柏木氏の一騎打ちとなった御坊市選挙。和歌山は自民党王国で、そのドンの1人である二階氏は過去の市長選において、柏木氏を支持してきました。
にも関わらず、今回、長男を擁立し、それまでの形成を逆転させた形になりました。
自民党と公明党の推薦は二階俊樹氏に出ました。また、小泉進次郎氏が応援に入るなど、自民党として、いや二階氏として、かなり力を入れた選挙になりました。
しかし、結果はダブルスコアに近い大差で敗北。
大方の分析は、投票率が78.10%と前回選挙に比べて、20ポイント近く上がったため、無党派層が与党に反する動きを見せたのだろうというものです。
確かに、その分析は一番筋が通っているような感じがしますが、ただ、今回は二階氏が自民党を2つに割ったという状態でありますし、自民党が割れている以上、公明党の動きもわかりません。
ましてや、自民党のお膝元であるがゆえに、サンプルとして不適切ともいえるかもしれません。
では、別の例を出してみましょう。
与党が不利な現状② 沖縄県議会議員選挙
6月5日に行われた、沖縄県議会議員選挙。
沖縄メディアの発信によると、与党(この言い方も面白く感じますが)、が大勝したとの分析です。
上の記事によると、いわゆる翁長知事よりの与党が27議席を獲得し、自民を中心とした野党勢力の2倍を獲得しました。
翁長知事の提灯記事も記載されています。
さて、一体何が大勝利なのか?
政党別で見ると、議席数を伸ばすことができたのは、地域政党である、沖縄社会大衆党のみ。自民や公明、おおさか維新は現状維持、左派系の政党は議席を減らしています。
その代わり、どこが伸びたかといえば、無所属の革新派が1議席から9議席へと急進しています。つまり、いわゆる翁長知事派といわれる、議席数27のうち、30パーセントにあたる9議席は組織のものでなく、浮動票の意思表示と捉えることも可能です。
無党派層が革新へ傾き始めている?
無党派層の分類に関しては、下記、サイトを参照されたい。
上の論によると、無党派層は1970年代と1990年代の2回にわたって大きく増え、それぞれの特色のある無党派層が生まれていると分析しています。
本論が寄稿されているのは、2012年です。その当時の分析として、今後の無党派層は、「積極的無党派層」の「政党拒否型」だという。
詳細は、サイトを参照していただきたいですが、「政党拒否型」は簡単に言えば、どこの政党を支持したこともなく、端から、政党に対して疑いを持っており、「政党を支持する」こと自体を否定している層です。
逆に、民主党や自民党など、既存の政党を一度は支持していたものの、そこに失望し、無党派層になった層は、「脱政党型」と表現しています。
投票率の低下と無党派層の増加
投票率の低下と無党派層の増加の関係性を見てみましょう。
政党拒否型が増えた1970年代、昭和で言うと、昭和45年~55年を見てみると、それまでに比べて乱高下が激しくなっています。
脱政党型の無党派層が増えた1990年代、平成以降は顕著に投票率が下降しています。
推測の域は出ませんが、おそらく、何らかの関係性はあるのでしょう。
着目したいのは、これからのトレンドは「政党拒否型」の無党派層が増えていくという見込みがあることです。
政党を拒否した有権者の行く先
御坊市と沖縄県議会議員選挙の無党派層の動きと、現在は「政党拒否型」の無党派層がトレンドとなっていることを分析しました。
その無党派層が一体どこへ行こうとしているのか、あるいは既存の政党はそこにどういうアプローチを仕掛けていくのか。ここらへんの解説は次の段に譲りたいと思います。
※次回は6月27日公開予定です。
※本連載の一覧はコチラをご覧ください。
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