メディアとわれわれの主体性

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<愛国のパラドックス> SPECIAL TRAILERS

佐藤健志氏の新刊『愛国のパラドックス 「右か左か」の時代は終わった』が、1月27日、アスペクトより発売されました。

日本の抱えるさまざまな問題を、<パラドックス>というコンセプトに基づいて明快に論じたもので、amazonでは発売前日から30日以上、イデオロギー部門で1位を記録しています。
岩手県の達増拓也知事は、ツイッターで二度にわたり、次のようにコメントしました。

「我が国最高の保守評論家による、保守愛に満ちた保守論。保守本来のリアリズムと寛容さは国の宝なので、この本で良き保守主義者が育つことを期待します」
https://twitter.com/tassotakuya/status/561424919867580416

「保守愛に満ちているがゆえに、実際に日本で見られる様々な保守的言動について徹底的に批判している本なので、多くの人たちに読んでほしい」
https://twitter.com/tassotakuya/status/561756796616851456

三橋貴明さんも、2月20日と21日のブログで同書を取り上げ、
「読んで「これだ!」と思った」
「以前から疑問に思っていた日本の「保守派」について、回答を示してくれた」
と賞賛しました。
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11992201111.html(2月20日)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11992631561.html(2月21日)

同書に収録された15本の論考の中から4本を特別にセレクト、SPECIAL TRAILERSとして連載します。
本ではさらに刺激的な分析が展開されていますので、あわせてご覧下さい。
http://amzn.to/1A9Ezve

 人間はとかく、物事に単純なレッテルを貼り付け、その良し悪しを自明のごとく扱うことを好みます。かつての左翼には、「何かを『保守』と規定したら、頭ごなしに否定してよい」とみなす風潮がありました。

 保守にも評価すべき点があるのでは? などと考える必要はない、保守であるだけで悪いに決まっているというわけです。レッテルが「保守反動」になると、いっそう悪さの度合いが上がります。

 しかるに最近では、保守を自認する人々の間に、「何かを『戦後』と規定したら、頭ごなしに否定してよい」とみなす風潮が感じられます。たとえば「戦後保守」は、そのようなレッテルとしての性格を帯びているでしょう。

「戦後保守」の概念に意味がない、というのではありません。「戦後保守」と規定される政治理念、あるいは政治勢力のあり方に、見直されるべき点や変えるべき点がないというのでもありません。

 だとしても、独立回復や経済成長の実現をはじめ、「戦後保守」は功績も少なからず挙げたはずです。日本が現在、いろいろな点で行き詰まりを見せているのは事実ですが、危機感に駆られたあげく、もっぱら否定的な評価を下すのは考えものでしょう。そんな姿勢から、有効な代案が生まれるとは信じがたいのです。

 続いて「戦後メディア」という概念も出てきました。やはり否定的なニュアンスを含んでいると思われますが、具体的にいかなる特徴を持ったメディアを指すのかとなると難しいものがあります。

 戦後日本のあり方を肯定、ないし正当化するのが「戦後メディア」だ、こう定義してみましょう。けれどもメディアというものは、規模が大きくなればなるほど、その時々の社会のあり方を肯定するに決まっています。批判する際も、体制内反体制というか、「根本を肯定すればこそ、現状に文句をつける」姿勢を取るのが普通です。

→ 次ページ「メディアは空気に引きずられるー「社会の木鐸」は理想論だ」を読む

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西部邁

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