借金1000兆円と財政破綻で恐怖を煽る日経

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10月9日の日経は「老後の安心土台揺らぐ」「借金膨張 歴代政権の罪」「命懸けの増税恐れるな」「破綻来ない保証はない」と国民の恐怖心を煽る言葉が並んでいる。御厨貴と小林慶一郎慶大教授の対談も載せてあるが、これは日経の主張だろう。1000兆円の借金があるのだから財政破綻するぞ、だから命懸けで大増税をやれと主張する。石原伸晃経済財政・再生相も5日に消費税は15%にせよと主張している。

日銀が長期国債を金利0%で買い支えると宣言したのに、金利が暴騰して財政破綻すると思っているのだろうか。だとしたら経済を語る資格はない。国の借金が1000兆円で、そしてその原因が過去の政権の景気対策だという。IMFの発表で世界189カ国中、85%の国は財政赤字だ。つまりほとんどの国は国の借金を増やし続けている。なぜ日本が問題かと言えば国の借金のGDP比が世界一だから問題だという。
国の借金を問題にする愚かな連中は、「国の借金」と「国の借金のGDP比」を混同しているのだが、実は全く別物なのだ。日本以外のほとんどの国は「国の借金」はどんどん増えるが「国の借金のGDP比」は増えていない。なぜならGDPが国の借金と同じくらい増えているからだ。

現在世界で戦争(内戦も含め)をしている国は24もある。そういった国の軍事費は半端ではなく、景気対策としての公共事業費などとは比べものにならない。そのような国では財政赤字は巨大だが、お金がぐるぐる回るのでGDPは急拡大し、国の借金のGDP比は低いままだ。
イラク    66%
リビア    65%
コンゴ    64%
イスラエル  64%
ジンバブエ  53%
アフガニスタン 6%

日本の国の借金のGDP比がなぜ世界一なのかと言えば、日経新聞のようなマスコミが1000兆円の借金で財政破綻するぞなどと間違った情報で国民を脅すから、国民は将来に備えて貯金するしかい。お金が回らないから不況が続きGDPは増えない。だから税収も伸びないが、景気対策を続けるしかなく、借金は増え続けるという悪循環が続いている。

日本の名目GDP成長率は極めてひくい。最近10年間(2006年〜2015年)の名目GDPの上昇率を見ると低い順から
ギリシャ  −11.9%
日本    −0.9%
イタリア   9.7%
ポルトガル  13.0%
スペイン   16.1%
となっており、日本以外はどこもユーロ加盟国で通貨発行権を持っていない国ばかりだ。全体の平均は80.1%となっている。日本はこれら通貨発行権を持たない国の真似をして緊縮財政を行わなければならない理由は全く無い。堂々と赤字国債を発行し、望ましい経済成長率にまで高めていけば、必ず国の借金のGDP比は諸外国並に減ってきて「将来世代へのツケ」は激減する。

デフレなのに増税をやれば、デフレは悪化し、経済は縮小し国の借金のGDP比は増えてしまうのが分からないのだろうか。

小野盛司

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