『聖魔書』[1-5] 律法記

解説

 今回は、十戒に該当する箇所です。いわゆるモーセの十戒は、『旧約聖書』の「出エジプト記」と「申命記」に書かれています。十戒は文字通り十の戒律ですので、「形成記」の奇跡も同じ十に合わせてみました。
 細かい説明は省きますが、十戒を参考にし、それを思想的に乗り越えるように努めました。実際に、十戒の記述内容と比べてみるのも面白いかもしれませんよ。
 第五の律法は分かりにくいと思いますので、少しだけ解説します。最初の「対称」は「対象」の誤植ではありません。確かに、「対称」のところを「対象」にするかどうかは悩んだところなのですが、ここの本質をあらわすには、やはり対称における非対称性という表現が必要だと判断しました。つまり、物と物との間の釣り合った対応において、釣り合っていないものが与えられている、ということです。さらに言えば、与えられていざるを得ない、そうでないと認識が成り立たないから、ということです。ここには主体性の問題と、多体問題(N‐body problem)の視点が絡んでいます。
 それぞれ短い文章ですが、けっこうな意味を詰め込んでいますので、深読みしてくださるとありがたいですね。


※次稿「『聖魔書』[2-1] 試練書」はコチラ
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西部邁

木下元文

木下元文

投稿者プロフィール

1981年生。会社員。
立命館大学 情報システム学専攻(修士課程)卒業。
日本思想とか哲学とか好きです。ジャンルを問わず論じていきます。
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