『聖魔書』[1-4] 原罪記

解説

 今回は、「創世記」のアダムとエバ(イブ)の物語に該当する箇所です。「創世記」では二人の男女が対象となっていますが、「原罪記」では性別不明の人物一人だけです。ここでの「原罪」は、「創世記」のそれとは別物だということです。
 「創世記」に出てくる「命の木」と「善悪の知識の木」のアイディアは、とても面白いと思います。『聖書』って、個人的にはほとんどの部分がつまらなく感じられるのですが、「創世記」(の一部)の文学的価値は素晴らしいと言わざるをえません。
 参考文献としては、バクーニンの著作は重要ですし、長谷川三千子さんの『バベルの謎』も秀逸です。「原罪記」の蛇の設定および役割は、長谷川さんの仮説を参考し、利用しています。そのため物語を、エバ(イブ)という中間項を挟まずに、アダムによる直接対決に意図的に仕立てあげているのです。


※次稿「『聖魔書』[1-5] 律法記」はコチラ
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西部邁

木下元文

木下元文

投稿者プロフィール

1981年生。会社員。
立命館大学 情報システム学専攻(修士課程)卒業。
日本思想とか哲学とか好きです。ジャンルを問わず論じていきます。
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