フェミニストが萌えキャラに目くじらをたてる理由とは・・・~香山リカvs碧志摩メグ?~

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リカちゃんがメグちゃんに文句を言っている件

 みなさん、「碧志摩メグ」ちゃんをご記憶でしょうか。志摩市公認の、海女さんをモチーフにした萌えキャラです。このメグちゃんが海女さんへの「職業蔑視」、或いは「女性蔑視」であるとして騒がれた……というのがぼくが以前に書いた記事の概要でした。テレビなどでも採り挙げられたので、ご覧になった方も多いかと存じます。
 ただ、ぼく自身はこの件については、何とはなしに落着した気でおりました。と言うのも志摩市が先月30日、市内の海女らと意見交換しており、それを見る限り「あぁ、やっぱり本件は海女さんと言うよりは、当事者でも何でもないフェミニストが大袈裟に騒いだだけなんだな」としか思えなかったからです。
 詳しくはtogetter「てんたま(tentama_go)さんによる志摩市と海女さんとの意見交換会まとめ*1」を見ていただきたいのですが、そこでは

「女性蔑視という表現は議論どころか話題にさえ上がっていない。(中略)海女さんとしては自分達の仕事をバカにされたと主張される方が一部みえるというだけ」

「自分達をこんな風な漫画のキャラクターにされてバカにされたと言う方が一部みえるだけで、海女さんの中にも(碧志摩メグ)いいよねという方も実はいっぱいいる。外部では市と海女の対立してるような雰囲気にみえるようだが、決してそうじゃない」

 といった報告がなされていました。
 事実、本件については「明日少女隊」という今一、正体不明なグループ(第4世代若手フェミニストによる社会派アートグループ、だそうです……)が、言っては悪いですが後乗りで乱入してくるなど、「外野が大騒ぎしてるだけ」という印象が、どうしても強いのです。
 が、ここへ来て意外な人物が本件に「参戦」してきました。
 精神科医の香山リカ先生です。
 9月22日付の『東京新聞』の「香山リカ ふわっとライフ」において、彼女はいわゆる萌え系のご当地キャラを採り挙げ、

もちろんほとんどの人は「これは架空のキャラクター」と分かって見ていると思うが、ごく少数でも「幼い女の子を見て、色っぽいなと感じてもいいのだ」「どんなふうに見ても笑顔で受け入れてくれる、それが少女なんだ」と勘違いしてしまう人がいるのではないか。

少女が性犯罪の被害にあう事件がしばしば報道されるが、そのたびに「この加害者は、萌えキャラを見ているうちに、少女を性の対象だと考えるようになったのではないか」とドキリとする。

 と語っていたのです。メグちゃん本人を名指ししているわけではないのですが(時期的に恐らく意識はなされていたでしょうし)、萌え系の地域振興キャラをとっかかりとした、萌え文化に対する苦言であることには、変わりはありません。
 しかし、この発言にどれだけ理があるかとなると、それは怪しいと言わざるを得ません。
何しろ萌えキャラがこの十年で爆発的な増加をしているのに比べ、少女への性犯罪がそれほど増えているとは、どうにも思えませんから。
 もっとも、こうした萌えキャラへのバッシングはずっと続いてきたことであり、今更の話題ではあります。しかし香山リカ先生の「参戦」は、やはりオタク層にしてみれば、いささか衝撃的ではありました。
 何しろ、この「香山リカ」という名前はそもそも、あの着せ替え人形「リカちゃん」の名前から来ていて、彼女自身が萌えキャラを出自にしていると言えなくもないのですから。
 そう、つまりこれは言わば、メグちゃんとリカちゃんのバトルというわけです。
 また、リカちゃん先生が左派寄りの文化人であることは周知ですが、同時にかつては『週刊ファミ通』に連載を持つなど、ゲームオタクとしてのイメージが強い方だったのです。
 例えば1989年、いわゆる宮崎事件を受けて出された『Mの世代 ぼくらとミヤザキ君』において、彼女はTVゲームが偏見を持たれていることにフンガイし、

もっと図に乗りやすい人は、「TVゲームをしすぎると現実とゲームの世界の区別がつかなくなる」と言ったり、

 などと語っていました。
 そんなリカちゃん先生が、どうしてオタクの敵になってしまったのでしょう?
 今回の彼女の主張は「萌えキャラを見すぎると現実と萌えの世界の区別がつかなくなる」という、言わばかつての彼女の逆を行くものなのではないでしょうか?

→ 次ページ「メグちゃんよりリカちゃんの方が女性の自由を認めていない件」を読む

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西部邁

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