『夢幻典』[参式] 沈黙論

解説

 ここでは、『維摩経』の第八章「入不二法門品」の論理を参考にしています。いわゆる「不二の法門に入る」という話です。また、哲学者の入不二基義『足の裏に影はあるか?ないか? 哲学随想』に記載されている『「さとり」と「おおぼけ」は紙一重』の論理も参照しています。
 沈黙とは口をきかないことですから、言葉を発しません。それは、単純に言葉が無いということではありません。言葉を発することができる存在が想定された上で、その存在者が言葉を発していないという状態を意味するからです。それを態度だと見なせば、その行為は言葉を発することと同様に、あるいはそれ以上の意味を担うことになります。ましてや、沈黙を論ずるということになれば、そこには意味があふれ出すことになります。


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西部邁

木下元文

木下元文

投稿者プロフィール

1981年生。会社員。
立命館大学 情報システム学専攻(修士課程)卒業。
日本思想とか哲学とか好きです。ジャンルを問わず論じていきます。
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