『夢幻典』[参式] 沈黙論

解説

 ここでは、『維摩経』の第八章「入不二法門品」の論理を参考にしています。いわゆる「不二の法門に入る」という話です。また、哲学者の入不二基義『足の裏に影はあるか?ないか? 哲学随想』に記載されている『「さとり」と「おおぼけ」は紙一重』の論理も参照しています。
 沈黙とは口をきかないことですから、言葉を発しません。それは、単純に言葉が無いということではありません。言葉を発することができる存在が想定された上で、その存在者が言葉を発していないという状態を意味するからです。それを態度だと見なせば、その行為は言葉を発することと同様に、あるいはそれ以上の意味を担うことになります。ましてや、沈黙を論ずるということになれば、そこには意味があふれ出すことになります。


※本連載の一覧はコチラをご覧ください。

1 2

3

西部邁

木下元文

木下元文

投稿者プロフィール

1981年生。会社員。
立命館大学 情報システム学専攻(修士課程)卒業。
日本思想とか哲学とか好きです。ジャンルを問わず論じていきます。
ウェブサイト「日本式論(http://nihonshiki.sakura.ne.jp/)」を運営中です。

【ASREAD連載シリーズ】
思想遊戯
近代を超克する
聖魔書
漫画思想
ナショナリズム論

Facebook(https://www.facebook.com/profile.php?id=100007624512363)
Twitter(https://twitter.com/moto_nihonshiki)

ご連絡は↓まで。
nihonshiki@nihonshiki.sakura.ne.jp

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 2015-9-7

    フラッシュバック 90s【Report.1】どうして、今、90年代か?

    はじめましての方も多いかもしれません。私、神田錦之介と申します。 このたび、ASREADに…

おすすめ記事

  1. 第一章 桜の章  桜の花びらが、静かに舞っている。  桜の美しさは、彼女に、とて…
  2. ※この記事は月刊WiLL 2015年4月号に掲載されています。他の記事も読むにはコチラ 「発信…
  3.  アメリカの覇権後退とともに、国際社会はいま多極化し、互いが互いを牽制し、あるいはにらみ合うやくざの…
  4.  お正月早々みなさまをお騒がせしてまことに申し訳ありません。しかし昨年12月28日、日韓外相間で交わ…
  5. 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」がアカデミー賞最多の6部門賞を受賞した。 心から祝福したい。…
WordPressテーマ「CORE (tcd027)」

WordPressテーマ「INNOVATE HACK (tcd025)」

LogoMarche

ButtonMarche

イケてるシゴト!?

TCDテーマ一覧

ページ上部へ戻る