フラッシュバック 90s【Report.12】「学校へ行こう!」で思い出した、素人がまだ生きていた90年代

マジカル頭脳パワーを倒した功績

90年代まではまだまだクイズ番組が興隆を極めていました。特に、クイズとゲーム性を絡めた、名番組、日テレの「マジカル頭脳パワー」は「マジカルバナナ」など流行となるゲームまで生み出すほどでした。
しかし、裏番組に台頭した「学校へ行こう!」の影響もあり、1999年に放送は終わります。これ以降のクイズ番組は、テレビ朝日系「クイズプレゼンバラエティQ様」やフジテレビ系列「ヘキサゴン」といったように、クイズそもそもを楽しむのではなく、クイズの周辺に起こるドラマやハプニングを楽しむといったものになっていきました。

90年代からゼロ年代へのトレンドの変化を如実に表していた番組間のしのぎの削りあいだったのかもしれません。

低予算番組のフォーマット化で始まる素人の逆襲

いずれにしても、ロケが中心で、スタジオコントやドラマといった予算のかかる放送とは違った、低予算での名企画を生み出してきた功績は大きいです。まぁ、それ自体も、90年代中ごろからはじまった、北海道テレビ製作の「水曜どうでしょう」の企画にインスパイアされているところも大きいとは思いますが。

「低予算でも面白い番組は作れる」、「素人でもキャラ付けさえうまくいけば、企画になる」といった発想を定着させたことは見事でした。

しかし、そのトレンドは、「芸人の素人化」「素人の芸人化」を生み出していくことになりました。そこに、デジタル機材によるイノベーションも生まれた結果、Youtubeやニコニコの生主のようなカテゴリーも生まれてきたわけです。

これから始まる、ネット動画市場も、こういったテレビ番組の興隆の流れを汲めば、ヒットコンテンツの1つや2つ、生み出せるかもしれませんね。


※第13回「フラッシュバック 90s【Report.13】
モーニング娘。という90年代最後の狂乱」はコチラ
※本連載の一覧はコチラをご覧ください。

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西部邁

神田 錦之介

投稿者プロフィール

京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。
大切なことを伝えることとエンターテイメントは両立すると信じ、「ワクワクして、ためになる」文章をお送りします。

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