フラッシュバック 90s【Report.12】「学校へ行こう!」で思い出した、素人がまだ生きていた90年代
- 2015/11/24
- 文化
- 90s, feature3
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11月3日、TBS系で久方ぶりに復活した、「学校へ行こう!」、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか?
私も、めったにテレビを見ないのですが、仲間と会議している最中に行きつけの食堂のテレビから流れてきたので思わず、見てしまいました。
今年、デビュー20周年を迎えるV6のバラエティでの初冠番組だったこともあり、力の入った企画が多かったのを、スペシャル番組を通じて、改めて確認しました。
あらびき団の原型、素人芸の真骨頂~B-RAP High School~
まず、人気企画だった、B-RAP High School。当時の火がつき始めていたHIPHOPをバラエティで取り上げたものでしたが、実態は、有名アーティストの曲に載せて、替え歌を連発するというものでした。
騎士男、夏木マリオ、尾崎豆、軟式グローブなどなど。中には、歴史ラップ、Co.慶応のように、本格派のラッパーとして、今もYoutubeで活躍している人もいますが、ほとんどが、芸人志望の人々のネタ見せのようでした。
どうして、この内容がブレイクしたか。久々に見ていて思ったんですが、これ、ある番組に多大な影響を与えた企画だと思うのです。
連取りができるように、スタジオで背景だけを変えたセット。画面下にタイミングよく挟み込まれる歌詞に、タイミングの良いテロップ。そして、ワイプ画面にうつるV6メンバーからは、適度にツッコミが入る。
さらに、特筆したいのは、独特のカメラワークです。チゲ&カルビのそれぞれが歌う際に別カメラを用意していて、パークマンサーのラップ時のカメラ(おそらく、クレーンを使っている)が専用で用意されていました。
これらの演出、ゼロ年代後半にブレイクする、TBS系列で放送されたバラエティの「あらびき団」のそれと、うりふたつなのです。
「あらびき団」も芸人が洗練されてはいないけれども、とりあえず見せたいネタを提供する場として、非常に流行しました。モンスターエンジンやキュートン、エハラマサヒロなどもこの番組から出てきました。
多くの芸人が、「あらびき団」で笑いが取れても、レッドカーペットなどの田番組で笑いが取れないということから、そもそも「あらびき団」の演出が独特で、出演者のキャラを活かしきっていたからだと分析している記事も多くありました。
素人のキャラですら活かしきる演出のフォーマットは今の時代にも使えるかもしれません。
台本であっても素人いじりが許された時代~未成年の主張~
「学校へ行こう!」の初期の名企画ともいえる、「未成年の主張」。中学校にV6が乗り込み、校舎の上から、全生徒に向けて自分の主張したいことを主張するといった企画です。
だいたい、企画の最後には、告白タイムみたいなものがあります。まぁ、そこは特に美味しくもないのですが。。。
そもそも、「主張」といっているのですが、だいたいのネタがカミングアウトなわけですね。自分の持っている秘密や他人が隠していることなどをひけらかす事によって、刹那的ではあるけれども全生徒からの注目を浴びる。
ただ、これも時代背景かなと思います。大澤真幸や宮台真司の議論はあまり好きではないんですが、「終わりなき日常」の中で、自分の存在を際立たせていくために、切り売りしていくしかない状況。
これは、ある意味では、さんま御殿やダウンタウンDXに見られる、芸能人のプライベートの切り売りで番組企画を成り立たせていくフォーマットにも通じる部分があると思います。
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