未曾有の経営危機。このままマクドナルドは潰れてしまうのか?

損益分岐点を劇的に引き下げるための鍵になる戦略とは?

それでは、マクドナルドはどうすれば、損益分岐点売上高を引き下げることができるのでしょうか?

その重要な鍵を握るのが、『固定費の変動費化』といえるでしょう。

つまり、人件費や店舗の賃料など売上に関わらずかかっている経費を、売上に応じて変わる変動費に転換する必要があるというわけです。

そのために今マクドナルドが世界レベルで推し進めているのが、フランチャイズ店の促進です。

アメリカのマクドナルド本社では、業績不振に陥った再建策として、世界レベルでのフランチャイズ化を推し進め、現状の81%から、2018年末までに90%まで引き上げることを計画しています。

このフランチャイズ化により、マクドナルド本体の経費はドラスティックに引き下げられ、収益の大幅な改善が見込めるようになるのです。

日本マクドナルドに関していえば、2014年12月末現在では全3,164店舗中、フランチャイズは2,151店に留まり68%と、世界標準からは大きくかけ離れています。

今後は不採算の直営店を大幅に削減するなどして、米国本社が目指すフランチャイズ率90%へと、近づけていかなければならないでしょう。

また日本マクドナルドにおいては、フランチャイズの促進とともに、“ローカライズ”の強化が業績復活の鍵を握るといえるでしょう。

今や消費者は“十把一絡げ”では、捉えにくくなっています。

その意味では各店舗ごとに来店顧客の特徴は大きく変わり、それゆえ商品やサービスも顧客に合わせて提供する必要があるというわけです。

そこで、各店舗にある程度の経営の自由度を持たせることにより、フランチャイズオーナーが独自に考えて、顧客を満足させる施策を取ることが可能になってきます。

そうして、地域密着型でコアなファン顧客の来店頻度を高めていけば、無理にクーポンやキャンペーンを実施して、ファンでもない顧客を集める必要がなくなってくるのです。

このようにマクドナルドは、どんなことがあろうとも変わらず応援してくれるコアなファン顧客と、マクドナルドの掲げるビジョンに共感して、共に道を歩んでいこうと決意した熱意あるフランチャイズオーナーを強い味方にして、今一度ビジネスの基礎を固めて、着実に利益の上がる体質に改善していくことで、現在の真っ暗闇の状況の中に、一筋の光明を見い出すことができるのではないでしょうか。

※マクドナルドの『ビジネスリカバリープラン』や決算関係資料は、日本マクドナルドホールディングスのホームページでダウンロードいただけます。

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西部邁

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