サブカルがまたオタクを攻撃してきた件 ——その1 トランプを支持するオルタナ右翼とは?
- 2016/10/14
- 政治, 社会
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せや、オルタナ右翼もオタクってことにしたろ!
とは言え、幾度も書いてきたことですが、日本においても「ネトウヨはオタクだ」というのが左派の決まり文句です。
実は上に挙げたラジオ番組では伏せられていたのですが、町山さんの告知用ツイッターでは、以下のような文言が並んでおりました。
アメリカではAlt-Right(オルタナ右翼)と呼ばれる保守の新世代がネットから出てきました。彼らはアメリカの旧保守と違って無神論的でゲイやドラッグには寛容だけど反PCで反フェミニズムで人種差別的でアニメ好きです。
Alt-Rightは宗教や伝統やモラルと無縁の新しい右翼の傾向で、メニニズム(反フェミニズム運動)とダブっているのが特色です。でも、日本の萌えアニメの少女は大好きです*6。
このツイートにはご丁寧にトランプとアニメ美少女のコラージュ画像までもがアップされており(この画像自体は想像するに、そのオルタナ右翼たちが作ったものでしょうが)、町山さんの秘めた本音が大変よくわかる仕組みになっております。
が、ここまで強調している「オルタナ右翼=アニメ好き」について、根拠めいたものはどうも、ないようなのです*7。
何しろ彼の言によれば、「オルタナ右翼」はトランプを支持している人たちであり、(ニュース番組の支持率などを見るに)そうなると低く見積もってもアメリカ人の四割は「オルタナ右翼=オタク」というリクツになってしまいます。いかに日本のアニメが世界を席巻しているからといって、アメリカの四割の人々が萌え美少女好きとはとても信じられませんが、そうなのでしょうか。
以前も町山さんはオタクに対し幼稚な暴言を繰り返しておりましたが*8、本件もまた、「お前の方こそオタクに対する差別的偏見の塊やんけ」との突っ込み待ちだとしか思えません。惚れ惚れとするようなブーメランぶりです。
少し前、「正義か味方か? 謎の小池百合子」*9という記事において、また別な方のブログをご紹介したこともあります。ここでは菅野完さんの『日本会議の研究』を引きあいに「オタクは(日本会議同様)ミソジニストだ!」との主張が(何ら根拠なく)なされておりました。その後、よりにもよって菅野さんのセクハラ疑惑が浮上してしまったのですが、その後もこのブロガーさんは菅野さんを「反省しており、エラい(大意)」と擁護するばかりで、自説には疑いを抱かないという思考停止ぶりを発揮しておりました。
フェミニストが「萌え」を憎悪し、オタクをミソジニストであると難じる光景も、左派がオタクをネトウヨであると難じる光景も、もうすっかりネットの風物詩となりましたが、こうして見ていると左派たちもフェミニズムを援用し、立場の弱い者への暴力的な言動を正当化することがすっかり定番化しているご様子です。
見ていて気づくのは、彼ら彼女らは「差別」や「ヘイト」を悪だと厳しく論難していながら、自分たちはむしろ積極的に「差別」や「ヘイト」を煽っていくスタイルを取っているということです。
こうした奇妙な振る舞いに、さすがに異を唱える声も高まりつつあります。
フェミニストたちへと「男性差別」「ミサンドリー(男性嫌悪)」との言葉をぶつけ、彼女らの言動こそが人権侵害ではないかと意見するやり方も、ネット上では盛んになりつつあるのです。この「ミサンドリー」は近年、特によく言われるようになった言葉で、「ミソジニー」という概念に対する、「ならばミサンドリーもケシカランぞ」という、一種のカウンターであるわけです。
しかし——自分でもそのように言っておいてナンですが——このようなやり方は、戦略としてあまりよろしくないのではないか、とぼくは考えます。
何となれば、(フェミニストは言うに及ばず)サブカルの「オタク叩き」も、左派のネトウヨ、オルタナ右翼叩き」も、その本質は「ミサンドリー」そのものであったと、ぼくは考えるからなのです。
いえ、これはあくまで一つの極論です。
ではサブカルや左派の抱える「ミサンドリー」の本質とは何か、そしてそれはどうすれば超克できるのか……について語りたいのですが、ここから先は「オルタナ右翼」の話題から大きく離れます。
これに関しては後日にまた、続けたいと思いますので、興味を持っていただけましたら、読んでいただけると幸いです。
*6 https://twitter.com/TomoMachi/status/769063447057301504
*7 ただし、英字版ウィキペディアの「Alt-right」の項を見ると、
しばしば「4chan」などのサイトにおいて、その信念を提出、ないし表現するためにネット用語を用いており、主にインターネットを基板とするムーブメントであると言われていた。
とあります。
この「4chan」は日本のオタク向けサイト「ふたばちゃんねる」に倣って作られたアメリカのオタク向けの掲示板なのですが、同時にニュースやファッション、音楽といった一般的なテーマに関する板も設置されていることは、申し添えておきます。
*8 (http://asread.info/archives/3393)
*9 (http://asread.info/archives/3497)
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