ネット選挙の喧噪と現実。選挙の実態を知らなすぎる有識者ら
- 2016/6/24
- 社会
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偏りがより傾斜する
そもそも、ネット世論は往々にして、リアルの世論とずれるものです。2009年5月に「ニコ動」が行ったネット世論調査の政党支持率は、自民党は36%、民主党が15%となっていました。結果はもちろん、民主党が大勝しました。ネット上で政治を熱く語るの国民は、全体からみれば少数派。ノイジーマイノリティー(声の大きい少数派)なのです。ネットで積極的に声を上げるのは「支持者」や「活動家」であり、選挙の大勢を決するのはノンポリな大衆です。
マスコミに左派が多いのは周知の事実。いわば「マスコミ村」という社交クラブは、既存会員の推薦が無ければ入会できない会員制。だから、若手論客や有識者の類も左派ばかり。冒頭に触れた金髪の津田大介氏はその代表格。御尊父は旧社会党の重鎮だったと、自らの著書で自慢しています。彼ら「左」がネット選挙を過大評価したのは、ネットの構造に理由があります。
国民性を無視した議論
「ググる(検索)」は興味の対象、語彙の範囲に限られますし、SNSは「同好の士」でつながるものです。その為、自身の考えを補強、強化する情報ばかりが集まる構造になっているのです。だから入手するのは“左”に有利な情報ばかり。そして予想と妄想の区別がつかなくなる人が現れます。そんな妄想たくましき人々が生み出したのが「ネット選挙」の喧噪です。なお、私にも思想信条はありますが、傾斜を自覚することでバランスを取っています。
米国大統領選挙を引き合いにだし、ネット選挙を語る有識者も散見しました。いまトランプ氏とヒラリー氏が舌戦を繰り広げていますが、実際の選挙活動は「どぶ板」で、ネットは補完ツールに過ぎず、ネットを使って集票しているのではありません。韓国は、ネット世論が大統領を決めるといっても過言ではない「ネット選挙先進国」ではありますが、ネット上の誹謗中傷でタレントが自殺に追い込まれる国民性は、日本の風土には馴染みません。ネット周辺では、国民性を無視した議論が正論のように語られることが多く注意が必要です。
地方議会ほどネット選挙
「ネット選挙」が過大評価された理由をひと言でまとめるなら、マスコミの無知です。選挙現場を知らず、傾斜の激しい自称ネットの専門家の妄想を鵜呑みにし、国民性を無視した議論に異論を持たないマスコミの無知です。
今後もネット選挙は微力のままか。今回の参院選においては微力でしょうが、文字通り一票が当落を左右する地方議会議員にとって、「ネット選挙」は微力のレベルを超えています。「LINE」や「Facebook」のように、個人の繋がりから一票を得ることができるからです。具体的には他地域から転入してきた家族連れの場合、地元でのつながりは「ママ友」ぐらいで、支援者に「LINE」のママ友のグループで呼びかけさせれば、新しい票を期待できます。これは、すでに昨年の統一地方選挙で実践されている「ネット選挙」です。
こうした集票活動が、閾値を超えて一般化したとき、マスコミや先の有識者らは、さも自分が「発見」したように大騒ぎするのでしょう。「変わる選挙活動。LINEで呼びかける清き一票」とかね。
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