デマと自浄作用と政治デマ〜熊本地震と東日本大震災のデマを検証する
- 2016/5/11
- 社会
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台風中継をする理由
「ライオン」「原発火災」「毒」。どれもマスコミからすれば「美味しいネタ」です。彼らは衝撃的で、悲劇と悲惨を連想させる「絵(映像)」を欲しがります。暴風渦巻く台風の「絵」を撮るために、リポーターを屋外に立たせ中継させるテレビ局が、ライオンが闊歩している映像を放置するわけがありません。原発火災にしても、福島第一原発から立ち上る白煙は、ずっとテレビ中継されていました。「毒」が本当なら、厚労省か熊本県警に常駐している「記者クラブ」を経由し、国民に警告を発することでしょう。マスコミの情報がつねに正しいとはいいませんが、奇想天外な「ネット情報」を、マスコミ報道で確認できなければ、それはデマとみて間違いありません。
東日本大震災のときと比べ、ネット上のデマには「自浄作用」が期待できるようになりました。一般的なネットユーザーによるデマの拡散は心配無用のレベルと言っても良いでしょう。ところが熊本地震では、第3の「デマ」の発生が確認されます。
デマを拡散する民進党
災害の恐怖を利用し、政治的目的を達成しようという「政治デマ」です。民進党のTwitter公式アカウントは「(東日本大震災発生直後に)一部の自民党の有力議員が原発対応についてデマを流して政権の足を引っ張ったのも有名な話です」とデマを拡散。職員の暴走と撤回されましたが、2週間以上たった執筆時においても、何を目的とし、どんな根拠で投稿したのか、民進党はなにも示していません。
同じく民進党の原口一博・民進党常任幹事会議長は党災害対策本部会議で「わざわざオスプレイをもってきて、避難している皆さんも 非常に不安に思われている」と不安をかき立てますが、オスプレイで物資が運ばれた被災者のツイートは「感無量」と喜びの声で溢れます。物資不足に怯える被災者の気持ちを捏造するのは悪質なデマです。民進党には「自浄作用」が期待できないのでしょう。
デマで布教する脱原発
反原発派も政治デマを拡散。反原発派のジャーナリスト、活動家、報道機関や政治家らが総力を結集し、川内原発の真下に活断層があるかのデマ画像を拡散し、それをシンパが鵜呑みにします。これがSNSの普及による弊害です。同じ価値観で繋がるSNSでは、多様な意見に触れる機会がなくなり、自浄作用がおこらないのです。なお、政治デマにマスコミは加担します。マスコミは不偏不党ではなく、いまの多数派は反安倍、反原発。デマを肯定はせずとも、積極的に否定せず、さらには「SNS上でも川内原発停止を求めている」と、反原発派の声だけを拾い出して報じる傾向があるからです。
もっとも「デマ」とは「デマゴーグ」の略で、その意味は「社会経済的に低い階層の民衆の感情、恐れ、偏見、無知に訴える事により権力を得かつ政治的目的を達成しようとする政治的指導者(ウィキペディア)」とあり、民進党や反原発の活動家、そしてマスコミらが、これを自認するなら、批判も虚しい限りです。政治デマに騙されない方法は、対立する側の意見に当たってみること。もっともこれは「大人の常識」です。
週刊新潮2016年4月28日号よれば、川内原発は2000ガルの揺れに耐える構造ですが260ガルで自動停止する設計。16日未明の本震での観測は12.6ガルでした。「安全運転」の範囲内です。
ネットに拡散されるデマ画像
グーグルマップ 中央構造体より、川内原発の註記は筆者
地質図ナビサイトより、川内原発の註記は筆者
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