全国6000店も存在する100円ショップの激しい攻防
- 2015/6/9
- 経営
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※この記事は「チャンネルAJER」様より記事を提供いただいています。
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100円ショップのルーツは、1926年(大正15年)、高島屋の「なんでも十銭均一売場」。その後1932年(昭和7年)にかけて独立型の店舗50店を大阪・京都・名古屋・東京周辺に展開し、大好評を博したという。
1985年3月に有限会社ライフの創業者・松林明が愛知県春日井市に日本初の固定店舗による100円均一店をオープンし「100円ショップ」と命名して販売を開始。その後、大創産業(「ダイソー」)の創業者、矢野博丈が商品の品質をアップする。
全国にある100円ショップは、およそ6,000店。節約志向の波はあるものの、商品の多くは、中国など海外で大量生産しているだけに、円安などで仕入れ価格が上昇し、厳しい環境に突入している。100円ショップと言えば、ダイソー。2014年の売上は3763億円。店舗数は国内2800店、海外25ヵ国で840店に達している。まさに別格の存在である。
2位はセリアで売上高は1090億円、3位はキャンドゥで635億円、4位はワッツで436億円。商品を1個販売した時の利益は、セリア9.3円、キャンドゥ2.3円、ワッツ4.0円で、セリアが抜けている。1店当たりの売上高は、セリア26.4万円(2014年3月)、キャンドゥ25.6万円(2013年11月)、ワッツ11.8万円(2014年8月)。また、店舗の資産価値はセリアが1300万円、キャンドゥが1600万円、ワッツが300万円。ワッツが低いのは、「ローコスト出退店」をするためだ。
セリアの特徴は「女性」。生活雑貨やインテリア小物などは、とにかく、「かわいい」し「おしゃれ」。ひとつひとつの商品を見ても「女性視点」が感じられる。通路も広く、ベビーカーの赤ちゃん連れも目立つ。加えて、商品開発力があるから、月間で500~600商品が入れ替わる。そのため、来店頻度も高い。
キャンドゥは、いわば、昔風の100円ショップ。売場の変化がないから探しやすいが…。特に特徴がない。
ワッツのコンセプトは「ローコスト出退店」。近くにダイソーが出店してきたら、即、店を畳むという作戦。いわゆる、ブルーオーシャン戦略だ。
セリアは、2015年3月期の出店は110店だったが、2016年は130店の計画で、今期末1250店になる。最近は、東京、大阪など大都市圏の商業地を中心に出店している。商品開発力が続けば、ダイソーからみて侮れない存在になるかもしれない。あとは、ミート(追随)された時の二の手三の手を準備しておくことだろう。
キャンドゥは1000円雑貨店「オホホ」を早期に100店体制にする予定だが、昔から1000円ショップはあるが、成功したことはないだけに心配。ワッツはセリアをお手本にPOSシステムを導入。今までは主婦が中心だったが、若い女性もターゲットにする。しかし、POSは後追いだし、ターゲットは、どこも同じだけにどうだろうか?また、100円、300円、500円の3つの価格帯の商品を扱う「threege スリージ」を展開する。これも円安対策だが、漫然と増やすのではなく、絞り込みがポイントになる。
今後の100円ショップは、
1.ターゲットは女性だったが、今後は男性という手もある。
2.今までは食品が少なかったが、今後は食品の100円ショップが登場するかも。
3.コンビニのように地域限定品が登場するのではないか?
いずれにしても、競争激化が続く目の離せない業界だ。
(株)ナンバーワン戦略研究所 矢野新一
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