日銀の国債を無利子・無期限の国債に置き換えたらどうなるか

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福田昭夫衆議院議員の質問主意書で、日銀の国債を無利子・無期限の国債に置き換えたらどうかと質問したのに対し政府の答弁は「それをやると通貨の信認が失われる」というものだった。それに対し、「通貨の信認が失われると、日本国内で日本円が使えなくなり、物々交換以外の経済活動が全部ストップするということか」と再質問すると、政府答弁は「日本円が使えなくなるとは考えていない。
通貨の信認が失われると激しいインフレが起きる」というものだった。つまりハイパーインフレになるだろうと言うのだ。しかし過去の答弁書(内閣衆質190第39号において「ハイパーインフレ-ションは、戦争等を背景とした極端な物不足や、財政運営及び通貨に対する信認が完全に失われるなど、極めて特殊な状況下において発生するものであり、現在の我が国の経済・財政の状況において発生するとは考えていない。」と答えていますので明らかに矛盾している。
ということは、日銀の国債を無利子、無期限のものに置き換えても、何も困ったことは起きないということを政府が認めたことになる。

無利子・無期限の国債はもはや国の借金ではないから、置き換えにより国の借金は一気に半分近くに減少することになる。この事に関し、OKWaveとう質問サイトで質問したら、回答が返ってきた。ひょっとしたらこの回答者は、質問主意書の回答を書いている官僚の方の一人か経済学者かなと想像している。

【回答者】
『無利子・無期限の国債』を質問者さんは持ちたいでしょうか。(つまりこの国債は価値が無いと言いたいよう。そしてこんな国債を日銀がつかまされたら、日銀にお金が無くなってしまうと言いたいようだ。)
 つまり、市中銀行が「緊急事態だ!カネを貸してくれ」と日銀に頼んでも日銀には「お金がない」という事態に陥るわけです。結局、日銀は日本銀行券を印刷してお金を用意するしかないのです(インフレ要因)。 また逆に、「インフレ傾向が出たから市中のお金を吸い上げたい」と思って、日銀が売りオペレーションをやろうとしても、銀行は「誰も買わない・利息も付かない国債」など受け取りません。
 かくして、日銀はインフレを事前に阻止するなど、景気のコントロールできなくなるのです(インフレ加速要因)。
【反論】
江戸時代は改鋳を繰り返し通貨の量を増やして経済を拡大してきた。無利子無期限の国債を日銀に保有させることは、市場に成長通貨を供給し停滞する日本経済を復活させる手段である。実際、日本銀行は大量の国債を保有しており、その利子は日銀納付金として国庫に返している。さらに、借換債を発行しいくらでも繰り延べできるから事実上無利子・無期限の国債を持っていることと同じである。
つまりこの置き換えによって実際は何も変わることはない。しかし、変わるのは国民の意識だ。もうこれは国の借金ではなくなったと国民が考えるようになったら日本人に希望を与えるのは間違いない。今のままだと、日本人全員が一生の間死にものぐるいで働いて一生懸命返済したとしても決して返せない。大増税をして恐慌に耐えたとしても返せない。そんな絶望から、この置き換えで抜け出すことができる。

通貨発行権には限度がない。第一次大戦の後のドイツも随分お金を刷ったが、その量に限度があったわけでなく、インフレを止めたくなったから刷るのをやめただけだ。止めた瞬間にインフレは止まった。日本もインフレ目標に達した瞬間に止めればよいだけだ。

インフレ傾向が出たから市中のお金を吸い上げたいと思ったら、政府がその無利子・無期限の国債を買い上げ、増税をすればよいだけだ。つまり余った通貨を市場から吸い上げ、そのお金で日銀から国債を買う。つまりお金の流れを逆にすればよいだけだ。これでインフレは阻止できる。弊害なんてない。

小野盛司

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