南シナ海の米中緊迫、新聞各紙は「大国の思惑」をどう伝えたか?

大国意識と危機意識

【東京】は、1面の下段に、「中国2艦、追尾・警告」「『不法進入』米を批判」との中国を主語にした基本的な記事。3面の解説記事「核心」は「『寸止め』米中 にらみ合い」の見出し。

3面の解説記事「核心」は、中見出しに「米国 対話に手詰まり感」と「中国 避けたい軍事対決」の2つを置き、対比的に解説している。各紙同様、習金平主席との直接会談が空振りに終わり、対話に行き詰まった末の駆逐艦派遣という理解が紹介されている。珍しくヘリテージ在団の専門家の意見が紹介されていて、今後中国が対抗上、南シナ海にも防空識別圏を設定しないか懸念されるということ、そうなると米議会の神経が逆なでされ、オバマ政権に対する風当たりが一層厳しいものになるとの観測も。

南シナ海への進出を強めている中国については、「大国意識と危機意識」の両面があるという。

世界第2位の経済大国に見合った海外権益を確保したいという姿勢と、他方で、米国のアジア重視、日本の安保政策転換などで中国は挑戦に晒されているという危機感。

uttiiの眼

短いが、充実した記事。米国についても、中国についても、その強さとともに弱さを見つめるということが必要なのだろう。他方、私たちにとって軍事関係の情報は非常に危険なので、警戒感を抱く必要もあると同時に、簡単に煽られたり、過剰な危機意識を持たされたりしないようにしなければと思う。

uttiiの電子版ウォッチ』2015/10/28号より一部抜粋

著者/内田誠(ジャーナリスト)
朝日、読売、毎日、東京の各紙朝刊(電子版)を比較し、一面を中心に隠されたラインを読み解きます。月曜日から金曜日までは可能な限り早く、土曜日は夜までにその週のまとめをお届け。これさえ読んでおけば「偏向報道」に惑わされずに済みます。
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西部邁

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