こんにちは、社会保険労務士の門山です。今日のテーマは労務関係のお役立ちの「退職金」についてです!

従業員への退職金はどうしたらいいでしょう、と質問されることがあります。「どうしたら」という意味には、色んな場合があります。例えば、支給したいが、金額はどう決めたらいいか、若しくは支給する余力がないが支給しないといけないのか、など様々です。

退職金が会社経営に有効となる時

まず法的な視点から考えますと、法的には支給する必要はありません。そのため、私としては、設立して間もない段階では、むしろ支給しないほうがいいとお伝えしています。

あくまでも個人的な意見ではありますが、以下が優先と考えられるためです。

・経営を安定するのが優先で、金銭的なゆとりが出てから検討する
・金銭的なゆとりがある場合は、賞与支給で対応する
・さらにゆとりがある場合は、毎月給与を昇給する
・過度な残業が続く場合は、適正に残業手当を支給するか、人の増員をする。

これらがクリアになっている場合は、長く働いて会社に貢献していただいた方に支給する目的で退職金は有効かと思います。

退職金は税制面で優遇されています。まず、本人の所得税や住民税の税額負担が、給与・賞与と比べると低額です。また労働保険料や社会保険料が掛かりません。

なお、法人税については、積み立てたタイミングでは損金(経費)とならず、支払ったタイミングで損金(経費)となります。

積み立てた金額も損金(経費)にしたい!

ということでしたら、中退共(中小企業退職金共済)や民間の保険に、積み立て依頼をすると、全額、若しくは一部が損金(経費)となります。

退職金といいましても、他にも色々な支払い方があります。例えば、確定拠出年金(401K)も大きな括りでは退職金と呼べるものになります。確定拠出年金というのは、簡単に言うと一定金額を外部に積み立て、本人が資産運用をし、老後などの年金に充てるようなものとなります。こちらも掛金が全額損金(経費)となります。

他にも厚生年金基金などがあります。ただ、これらは退職したタイミングではなく、通常は老後にもらうものとなりますので、直ちに仕事へのモチベーションにつながるかというとそうでもないと思われます。

上記に賞与の支給と書きましたが、賞与も法的には支給義務はありません。そのため、会社の状況や目的によって、色々な支払い方があるとお考えいただければと思います。なお、役員への退職金は上記と若干異なります。

ベンチャーサポート税理士法人

西部邁

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