小沢一郎・志位和夫 ブキミな蜜月関係
- 2016/6/9
- 政治, 社会
- hanada
- 418 comments
小沢、野党を叱る
これに対して、小沢は他の野党陣営に檄を飛ばす。
「戦後最悪の安倍政権を打倒しようと言っているときに、『共産党と同じテーブルで話すのは嫌だ』なんてことを言っている場合か、と言いたい。『票は欲しいけど、お前と話すのは嫌だ』なんて、何を幼稚なことを言っているんだと思われますよ」
「この期に及んで共産党が嫌だとか云々と言っている人間は、結局、『共産党と一緒にやるよりは安倍のほうがいい』ということではないか。アンシャン・レジームの一員として既得権益をむさぼっている体制派だと言われても仕方がない」
志位も応じる。
「共産党が好きだとか嫌いだとか言っていられる状況なのか、ということを本当に考えて欲しい。安倍政権のこんな独裁政治を許してしまったら子や孫に対して責任を負えないでしょうと、いろいろあってもここは大同団結しようじゃないか。それを本当に声を大にして言いたい」
共闘は「悪魔の密約」
二人の蜜月を受け、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は、小沢の発言をしばしば取り上げて、党の立場を正当化するようになっている。
「共産党アレルギー」をどう考えるかと題した記事(平成二十七年十二月二十七日)では、
生活の党の小沢一郎代表は石川県での講演で、「共産党というと私もそうだが色眼鏡で見がちだ。ところが共産党は本気になって変わりました」
と発言を引く。
「『共産党と共闘するなんてけしからん』という人がいる。だけどみなさん、薩摩と長州が手を握ってはじめて明治維新ができたのです」
と小沢。「赤旗」も
それくらい、いま日本の政治が置かれているのは、立憲主義、民主主義という政治の土台が壊された非常に危機的な状態なのです。
薩長同盟というが、日本民族が渾身の力で行った維新の大業を、権力奪取のための野合と同列にしないでいただきたい。幕末維新の志士たちには、このまま幕府に国を任せていては日本が滅びるという憂国の志があった。だが、共産党、小沢にあるのは「売国」だろう。
小沢は中国を訪問した際に、「私は、人民解放軍でいえば現地野戦司令官として勝利に向けて頑張っている」と中国に忠誠を誓うようなことを語ったり、韓国学生を前に「国に帰れなくなるのであんまり言えないが、(皇室の起源は大陸、朝鮮半島とする)騎馬民族(征服王朝)説は多分、歴史的事実だろう」などと言ったりするなど、日本人のマインドも感じられない。
いつだったか中西輝政は、小沢には権力奪取に強い執念があり、敵を破滅させたいという破壊的な攻撃性があるとして、小沢を「悪魔的な政治家」と呼んだが、まさにそのとおりである。共産党との共闘は、それこそ日本を亡国へと導く悪魔の密約だろう。
(文中敬称略)
この記事は月刊Hanada2016年6月号に掲載されています。他の記事も読むにはコチラ
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。