祝!深夜の馬鹿力1009回!伊集院はラブコメ作家だった!?ードクター非モテの非モテ教室(その四)
- 2015/2/16
- 文化
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そして、男子校へ――。
博士:以降、登場する「平成ハレンチ学園」(2005年1月24日~2007年4月9日)、「性のコーナー」(2010年9月13日~ 2013年9月9日)などを、お前さんはこれらコーナーの系譜だとしたいようじゃが、その主旨は大きく異なっているのじゃ。
以下に「平成ハレンチ学園」の例を挙げてみるぞ。
中学校。小太りだったぼくは好きだった女の子から「ウエストどのくらいあるの?」と聞かれ「正確にはわかんないよ」と答えると、彼女が「ベルト貸して」と言ってぼくのベルトを抜き取り自分の腰に巻き、代わりに彼女がつけていたベルトをぼくに手渡してきた。
彼女はぼくのベルトのいつも通してる穴よりも当然細く、その差を見て「すっごいね」って言って「あたし、これぐらいだよー」と言って、ベルトを自分の腰にギュッと巻いてあわせて、「こんなに差があるんだよ」っていうことを言って、ベルトを返してきた。
その後返ってきたベルトは、物陰でギュウギュウ締めてみた。2005年1月24日放送分
助手:け……結構これでも萌えるけど……。
妹:「萌え文化」が「こうありたかった青春時代の偽史」の捏造の過程とするならば、本コーナーは「その一歩手前の、本当にささやかな体験の破片」を必死になって拾い上げて来てる感じね。
博士:更に「性のコーナー」の一例を挙げると……。
風俗店のホームページで料金システムに書かれた金額を財布から出し、支払った気になると興奮する。
子供の頃、スーパーマリオの時間切れが近づいたBGM、あのどきどきの中でおちんちんを触ると気持ちいいと気づき、手慰みを始めた。
2013年2月11日放送分
助手:えぇ~と……コメントに困るんだけど……。
妹:こうなると性の目覚めとか、小児性欲にまで片足を突っ込んでるわね。そしてこれらコーナーを時系列順に並べていくと、伊集院がだんだんと「退行」を続けていることがわかるわ。
助手:え? つまり、昔は男女交際の話をしていたのに、最近は性の目覚めの頃の話になってるから?
妹:もちろん、目につくコーナーを並べたらたまたまそうなった、という程度のハナシかも知れないけどね。でも、伊集院が「恋愛」から「撤退戦」を続けてきたということは言えるんじゃないかしら。
博士:確かにそれは言えるかも知れぬの。伊集院は自らの番組を「男子校」と形容するが、これらコーナーはまさにそれを象徴していると言える。「馬鹿力」でもごく初期は「夏の公式ラブ嘘講座」(1998年8月24日)など、比較的ストレートに恋愛関係のコーナーをやっておる。
妹:それが90年代後半から、彼は恋愛から距離を取り始める。その原因は知る由もないけど、伊集院自身が結婚したからかも知れないし、『ときメモ』などのいわゆる「萌え文化」が花開き始めていたからかも知れないわね。事実、この時期の伊集院は「萌え文化」からも微妙に距離を置いていった印象があるわ。
博士:ふむ、伊集院の「ラブコメ系」コーナーは「萌え文化」にお株を奪われ、撤退せざるを得なかったというわけじゃな。
妹:そんな簡単な話じゃないわ。だって「萌え」と「ラブコメ」は違うもの。
博士:……………???
妹:あんたたち、「萌え文化」に耽溺するオタクたちはミソジニーだのホモソーシャルだのと叩くけど、あだち充なんて叩いた試しがないじゃない。
博士:そ……それは……。
妹:それは何故か。それは「ラブコメ」が「マッチョ」だからよ。
助手:え? え? それってヘンだよ? だって博士たちはずっと「マチズモ」こそが、絶対悪であるかのように詰り続けてきたんだから!
博士:しかり。反論に窮し、そんなデタラメまで言うようでは、お前さんも終わりじゃな。
妹:そうかしら? 次回は「童貞系」コーナーの本質を語ると共に、その辺についてまとめて答えてあげるわ。
助手:何だか伏線張るだけ張って回収しきれない連載漫画みたいになってきたなー。
*3 有名な話ですが、ネットスラングとして有名な「厨二病」という言葉の提唱者は伊集院光です。きっかけとなったコーナー「かかったかな? と思ったら中二病」が開始されたのが「馬鹿力」初期の1999年というのも象徴的ですが、伊集院は近年のこの言葉の流行について、自分がこの言葉に込めた自虐や共感のニュアンスが薄らいだことを嘆いており、伊集院がどこまでも時代の先端を行っていることがわかります。
■この記事に関連する動画はこちらご覧ください。
「毒舌な妹botの伊集院光教室(その3)(http://www.nicovideo.jp/watch/sm25619593)」
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