「統一地方選挙」は「統一痴呆選挙」だったのか?

総務省のまとめによると、今回の統一地方選挙、41の選挙の平均投票率は、前回より3ポイント余り下がって45.05%となり、過去最低となった。

選挙民も「なんでわしらが、こんな体たらくどもに美味しい仕事を斡旋してやらなきゃならないんだ」とバカバカしくなって選挙をボイコットする気持ちもわからないではない。

「どうせ、わしらが投票に行っても行かなくても大勢に影響はない、自民が勝つに決まっている。うそつき民主が政権取ったからと言って、ちっともよくならなかったではないか」と思えば次第に選挙から足が遠のいてしまうのも無理もないし、 結果として低投票率につながっているのだと思われる。

低投票率は地方選挙だけではない、衆院選でもそれを象徴するような結果が続いている。

昨年暮れに行われた衆院選の結果、投票率は52.66%だった、このうち自公の得票率は約47%、従って実質的に国民の25%を割る支持者による政権与党(自民・公明)であるということになる。

総務省の衆院選挙結果資料によれば、昭和42年(第31回)~平成2年(第39回)までの衆院選の投票率は68.0%~74.57で、平均71.4%であり、今から考えると信じ難いほど高いが右肩上がり経済状態の時代は、政治に対する関心も高かったということになる。

平成5年(第40回)は67.26%、以後経済悪化とともに投票率は一貫して下がり続け昨年12月の選挙(第47回)では52.66%であった・・・
特にひどいのは次代を背負う若者、20代の投票率は32.58%である。この傾向からすれば次回選挙では遂に衆院選でも投票率は半数(50%)を割るだろう。

それでも自民政権は続く?

結果として、国民全体(有権者)の五分の一(20%前後)支持者による政権与党ができることになる。
これでも民主主義と言えるの?一票の格差(4.77倍)が違憲状態というではないか、それと似たりよったりではないか。

経済成長は停滞したままのところへ昨年4月消費税増税するという暴挙だったから、昨年4月以降、国民の消費支出は11か月連続してマイナスであり、「経済成長も期待できない」・・・というよりは既に何度も指摘している通り、財務省そのものが経済が成長して金利が上昇することを極度に恐れて、経済成長しないように気を使っているようだ(苦笑)。
違うだろうか?
それを指摘するエコノミストもいない、変な世の中だと思う。

アベノミクスの三本の矢は庶民にとっては、単なる物語かお伽話にすぎない。アベノミクスは大企業と金もち優遇策であって庶民にとってはいいことは何もなし・・・
これでは国民の政治に対する関心も薄れていく、ますます選挙は遠のいていく。

なにしろ、経済成長すればするほど、国の借金は膨らむ(経済成長率よりも借金膨張率のほうが2倍以上高い)構図ができあがっている。
財務省出身の黒田日銀総裁も国の借金がGDP比2倍を超えて危険水域に達していることは本誌が指摘するまでもなく百も承知なのではないだろうか?

西部邁

いかりや爆

投稿者プロフィール

昭和10年生まれ、まもなく傘寿を迎える怒れる市井の老人です。現役時代は主として海外事業に携わり、経済の現場で為替に翻弄(固定相場の360円時代→プラザ合意→超円高)されたサラリーマン生活を送った。現在、ブログ「いかりや爆氏の毒独日記」を時折執筆中。

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