「安全保障関連法案」で日本はアメリカの属国であることを露呈してしまうのか

安全保障関連法案は7/16衆院本会議で可決され、7/27より参議院でも審議が開始された。

同法案の肝となるのは、言うまでもなく「集団的自衛権」である・・・すなわち、売られてもいない他人(この場合米国)の喧嘩に加勢(武力行使)すること。

「集団的自衛権」は憲法学者が違憲と判断するまでもなく、憲法9条に違反していることは明らかである。

敢えて憲法9条の骨子を掲げれば、

国際紛争を解決する手段としては、
武力による威嚇又は武力行使は、
永久にこれを放棄する。
国の交戦権は認めない。

・・・どう考えても「集団的自衛権」は憲法に違反している。

憲法は国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令・・・その他の行為の全部または一部はその効力を有しない。
(憲法98条)

日本が独立した法治国家であるなら、上述の通り安全保障関連法案は効力を有し得ない。

逆説的にいえば、安保関連法案が有効であるためには、国の最高法規である憲法を否定、もしくは、憲法よりも上位にある法律(例えば日米地位協定)に準拠するしかない。だが、その場合は独立国家としての立憲主義を否定することになる。

安倍氏は「積極的平和主義だ」とか「戦争を未然に防止するために必要な法案だ」などと言う。安倍氏が黒いものをいくら白いと説明したところで、黒いものが白くなるものではない、矛盾が露呈するばかりである。

つまり、「安全保障関連法案」は日本が宗主国アメリカの属国であることを露骨に示したことになる。安倍氏は、宗主国(米国)の操り人形に過ぎないことがはっきりした。人形師が蔭で操る「アベノミクス」も格差は拡大し、日本経済の将来に明るい未来はみえてこない。

最大の問題は、多くのマスコミや政治家、ジャーナリストから学者らに至るまで、国民の多くがアメリカの属国であるという意識が極めて乏しいことである。

「民主主義大国、アメリカに隷従する属国でもいいではないか」と思っている国民は多いかもしれない。

だがしかし、「自由と民主主義と人権大国」という仮面を剥げばアメリカの野蛮な姿が見えてくる。いかに他国を蹂躙してきたか、戦後史をみていただきたい。

1)ベトナム戦争・・・トンキン湾事件(1964年8月)を捏造、
  化学兵器(枯葉剤)大量使用。
2)グレナダ侵攻(1983年)・・・カリブ海の小国グレナダの政変に対し
  アメリカのレーガン政権が軍事介入、左派政権を倒した。
3)パナマ侵攻(1989年)・・・麻薬犯(ノリエガ将軍)逮捕のため他国に侵攻。
4)第一次イラク戦争(1990年)・・・湾岸戦争の欺瞞。
  クウェートから脱出してきた難民の少女がアメリカの下院議会にて
  「イラク兵はクウェートの病院まで攻めてきて
  赤ちゃんを保育器から出し殺すところを見ました」と
  涙ながらにクウェートでの現状を訴えたが、捏造映像だった。
5)アフガン戦争(2001年)・・・犯人?(ビンラディン)隠匿を理由に戦争。
6)第二次イラク戦争(2003年)・・・存在しない大量破壊兵器説を
  実在するとしてイラクを攻撃した。

アメリカは他国の大量破壊兵器を非難しながら、広島と長崎の原爆投下を歴代大統領は誰一人謝罪していない。

それでも、貴方はアメリカの属国であることを良しとしますか?

西部邁

いかりや爆

投稿者プロフィール

昭和10年生まれ、まもなく傘寿を迎える怒れる市井の老人です。現役時代は主として海外事業に携わり、経済の現場で為替に翻弄(固定相場の360円時代→プラザ合意→超円高)されたサラリーマン生活を送った。現在、ブログ「いかりや爆氏の毒独日記」を時折執筆中。

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コメント

  1. 9条改憲阻止の会のメーリングリストにこんな投稿がありました。

    以下引用

    【ブログ記事】

    ①【アベノミックス】の3つの矢は日本を米国並みの【超格差社会】に落とし込
    めるために世界支配層が安倍晋三を使って仕掛けた最終兵器だ!

    第一の矢:

    黒田日銀総裁の言う【異次元の金融緩和】は、3年間で250兆円を【信用創造】し公認
    会計士の民間団体『国際会計基準(IFRS)財団』が決定した 【銀行会計国際基
    準】に従ってすべてを実体経済ではなく金融機関への融資に使うことだ。

    【参考情報1】

    ▲【ブログ記事】日銀が創造した200兆円は【銀行会計国際基準】によって【金融
            経済】にのみに使われる!

    015.07.28 杉並からの情報発信です

    http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/ad50e0c1766883e5f790984c21febba1
                
    第二の矢:

    安倍晋三首相の言う【機動的な財政出動】は、10年で200兆円の国民の税金を大企業
    にばら撒くことだ。

    第三の矢:

    安倍晋三首相の言う【民間投資を喚起する成長戦略】は、規制緩和による大企業優遇
    と外資導入政策のことだ。

    ・TPP交渉(主権喪失)
    ・派遣法改悪(生涯派遣)
    ・ホワイトカラー・エグゼンプション(残業代ゼロ)
    ・国家戦略特区(外資導入、移民労働解禁、TPP先取り)
    ・武器輸出解禁
    ・原発再稼働
    ・原発輸出
    ・大学と企業の連携強化(産学協同)
    ・農協解体
    ・農業への企業参入
    ・郵政民営化
    ・法人税減税
    ・NISA(証券業支援)

    【参考情報2】

    ▲天野統康氏特別講演『超格差社会を推進させる最終兵器、アベノミクスの知ら
     れざる全容』

    2015.07.26放送 【YYNewsLive】

    http://twitcasting.tv/chateaux1000/movie/187178242

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