自滅の道を歩む政策の数々
- 2014/4/14
- 経済
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そもそも日本経済は現在デフレ状態です。デフレを脱却するには、金融政策及び財政政策の「パッケージ」を実施することがもっとも有効だと思われます。安倍政権の経済政策、いわゆる「アベノミクス」の「第一の矢」及び「第二の矢」がまさにこの政策パッケージになるのですが、最近は金融政策に偏っているようにも見えます。報道によりますと、日本銀行が昨年の4月以来「大胆な金融緩和」でお金の量を74兆円も増やしてきましたが、その大半が金融機関に溜まったままになっています。日本はデフレで資金需要が少ないことが伺えるわけです。
こんな時に、日本政府が「第二の矢」を十分に放ち、日本銀行が支給したお金を使って、インフラ整備や防災対策などの大規模国家プロジェクトを実施し、仕事がなく疲弊している産業を助け、経済全体を活性化させるべきでしょう。フィリピンは、産業が発達していないため、そんなことをしたくてもなかなかできないのです。インフラ整備などをするとき、外国からの資金を頼って、外国の企業に発注せざるを得ない場合があります。一方、日本は産業が発達していて国内の供給能力が高く、外国からお金を借りる必要もなく自国通貨で発注できるわけです。
しかし、「自虐的」な考えが日本政府の政策運営に影響していて、「国の借金」が問題視され、財政政策が十分に実施できていない状況になっています。それに、先ほど述べたように、日本政府が金融政策に偏っているように見えますが、これまた日本の事情に合わないような「経済学」の理論が影響しているようです。安倍政権のアドバイザーにアメリカで教育を受けた有識者や大学教授がいますが、彼らが提供するアドバイスは果たして日本に適しているのでしょうか。
4月に消費税が引き上げられました。これが、デフレから脱却できていない日本経済に大きな打撃を与えるでしょう。なぜなら、デフレの原因は「総需要不足」なので、増税は需要をさらに冷え込ませます。増税を中止しないのなら、十分な財政出動で景気対策を取るべきでしょう。しかし、財政政策の効果を疑問視する有識者や政治家がいます。例を挙げると、自民党の山本幸三議員が「デフレ脱却と消費税増税は全く関係ない」とおっしゃって、その理由としてブログに下記のように述べています。
デフレは貨幣現象であるので、金融政策がしっかりしてさえいれば、必ず脱却できる・・・いずれにしても、私が『消費税増税をしても、金融政策がしっかりしていればデフレ脱却は全く心配がない。』と考える理論的根拠は、『ワルラス法則』と呼ばれるものにある。
「ワルラス法則」という経済学の専門用語については細かく触れませんが、この理論は現実経済を正しく説明していないと指摘する経済学者もいることだけを記しておきます。この「法則」を信奉している有識者などの影響で、アベノミクスが金融政策を偏重してしまっているのなら、とても残念でなりません。80~90年代のフィリピンが、アメリカの影響を受け、「新自由主義」的な政策を実施し、フィリピン経済に悪影響を及ぼしたことを思い出します。
安倍総理に是非、自虐的な考え方や日本の現実に合わないような経済理論ではなく、「瑞穂の国の資本主義」を追求していただきたいと、心から願っています。
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