育児代行先進国フィリピンからの「育児代行“不要”論」
- 2014/8/14
- 教育, 社会
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私が子供のころ、母は専業主婦でした。私は母に愛され躾られながら育ちました。しかしフィリピンには、母親が会社などで働いていたため、「育児代行」をする「ナニー」に育てられた人もいます。「中流層」にはナニーを雇って子供の面倒を見てもらっている家庭が多いのです。というわけで「女性の社会進出」という面に関しては、日本に比べてフィリピンの方が「進んでいる」と言えるかもしれません。ただ、キャリアに専念する「勝ち組」の女性と、その女性の子供の面倒を見る「負け組」の女性とで社会が別れてしまっているという見方もできます。
ナニーも“職業”である以上、交代することもある。
私はナニーではなく、母親に育てられたことをよかったと思っています。母も、結婚するまでは働いていたのですが、母親とは自分の子供の面倒を見るものだと信じて子供ができたときに専業主婦になることを選んだわけです。もちろん、ナニーに育ててもらって「普通」の大人となった人もたくさんいるでしょう。とはいえ、ナニーはあくまでも「雇われ人」です。他人の子供を自分の子供のように愛して育てることはできないとは言いませんが、普通に考えるとナニーによって育てられるのと母親によって育てられるのとでは、「本質的」な違いがあると言えるでしょう。
もちろん、自分が雇ったナニーの仕事をきちんと管理する母親もいるでしょうし、献身的でいい仕事をするナニーもいるでしょうが、どうしてもナニーに育ててもらうことで支障が出ることもあるのです。例えば、ある奥様が会社で働いていて、子供の面倒をナニーに託していました。しばらくしたら子供が病気しがちになっていたため病院に連れていきました。医者の話によるとなんと、子供が栄養失調だそうです。色々と調べたところ、ナニーが嫌がる子供にご飯を食べさせるのを諦め、お菓子などばかり食べさせていたことが判明しました。
また、フィリピンでは母親がキャリアウーマンでナニーを雇っているような家庭の子供は躾が悪いとしばしば聞きます。もちろん実の母親であっても子育てを完璧にできる人はいないでしょうが、他人の子供を育てることになると尚更でしょう。全体的なデータや統計は分かりませんが、これらのような事実があることを誰でも直感的に理解できるのではないでしょうか。事情があってナニーに頼らざるを得ない家庭もありますが、子供が自分の母親に愛されて育てられた方が本来の育児だと、多くの人は賛同できると思います。
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