官邸前DISCO化計画!? ―問題点はどこだろう

官邸前がディスコになった夜

 ISIL(いわゆる「イスラム国」)による日本人拘束事件は、人質2名の殺害という最悪の形で幕を下ろしました。
 ご家族はじめ関係者の方々の心痛は察するに余りあります。ここに謹んで哀悼の意を表します。

 さて、この事件に関連する話題として今回取り上げたいのは、「官邸前DISCO化計画」なるイベントです。
 2015年1月26日、東京・永田町の首相官邸前にて催されたこのイベントは、官邸前の歩道にDJブースを設置することで、官邸前を文字通りディスコにしてしまおうという大胆な試みでした。
 この一見風変わりなイベントについて、主催者は「(ディスコの形式をとったことについて)官邸前からは、反対の声を上げてマイナスイメージが届けられることが多い。そうではなく、楽しいメッセージも届けたかった」とその趣旨を説明しています。

 イベントには20代、30代の若者のほか、社民党の福島瑞穂前党首も姿を見せ、twitterでイベントの模様をおさめた画像を投稿するなどしました。
 この「官邸前DISCO化計画」、しかしながらインターネット上では強い批判にさらされました。
 イベントが催された1月26日の時点で、人質2名のうち1名はすでに殺害されたと報道され、残る1名も依然ISILに身柄を拘束された状態で、その安否が気遣われていました(その後2月1日に殺害されたと報道)。
 そのような緊迫した状況にある中で、「官邸前をディスコに見立てて踊るなどというのは不謹慎きわまりない!」との批判がネット上で殺到したのです。

 皆さんはこの「官邸前DISCO化計画」、どのように思われるでしょうか。
 実を言うと私は、「楽しく運動をやる」という発想それ自体は、決して間違っていないと思っているのです。

→ 次ページ「「楽しいから参加する」という新しい社会運動」を読む

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西部邁

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  1. 2016-2-24

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