日本人よ、国連信仰から脱却せよ(その1)

 外務省はまさに国際社会に対する日本人の外向きの顔を象徴しています。大方の日本人は「何となく」、国際連合というのは国家よりも上位にあって、どんな場合にも中立的な立場から国際紛争を調停する機関だと考えているようですが、それは大きな間違いです。その何よりの証拠に、これだけの大国になっている日本やドイツはいまだに常任理事国入りを許されていませんね。
 国連は、世界平和を実現するという建前を取っていながら、じつは戦勝国(詐称している中共や、戦中まで日本の一部であったはずの韓国も含む)の国益に叶うならいくらでも利用されうるし、彼らが国益に叶わないとみなすなら何の意味もない無力な機関です。韓国人である潘基文事務総長自身が、国連は別に中立的な機関ではないと言明しているのです。
 その国連に日本は膨大な金を払っています。それなのに、ユネスコ、人権理事会、その傘下にある女性差別撤廃委員会など、国連の重要機関に勝手なことをさせておいてよいのでしょうか。これらは、国家の上位にある組織でも何でもなく、ただ特定の野心をもった国々にとって利用価値のある単なる圧力団体にすぎません。今回の一連の日本非難をきっかけとして、日本人はそのことをはっきりと悟るべきなのです。
 私は、あの松岡洋右のように、そんな腐敗した敵対的な組織ならさっさと脱退してしまえなどと短気なことを勧めているのではありません。孤立はかえってよくない。お金をたくさん払っている以上、株主と同じように大きな発言権を持つのは当然です。わが国に対して不当なことをしている中共、韓国、それを許しているアメリカをはじめとした先進各国に、その不当さを大きな声で訴えていくべきだと言いたいのです。
 他の国が普通にやっているように、何であれ利用価値のある国際組織や国際機関は大いに利用すべきです。それは、仮想敵国・中共の露骨な膨張主義を抑止するために、それを警戒している同盟国アメリカや、外交のもっていきかた次第でこちらになびく可能性もあるロシアをうまく利用すべきであるのと同じです。
 日本人よ、国連が国際紛争を解決し、世界平和を希求する理想的な機関だなどという幻想から一刻も早く目覚め、その実態を正しく値踏みするようにしましょう。

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西部邁

小浜逸郎

小浜逸郎

投稿者プロフィール

1947年横浜市生まれ。批評家、国士舘大学客員教授。思想、哲学など幅広く批評活動を展開。著書に『新訳・歎異抄』(PHP研究所)『日本の七大思想家』(幻冬舎)他。ジャズが好きです。

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