ウィンドウズ10への無料アップグレードはもしかしたらアメリカ政府の謀略?
- 2016/7/14
- 国際, 社会
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世界中でもうたくさんの人が経験しているでしょうが、ここのところ数か月、ずっと、マイクロソフト社のOS「ウィンドウズ」のユーザーに対して、「ウィンドウズ10へのアップグレードが無料でできます」というメッセージが画面を占領し、何度×をつけてもしつこく繰り返されてきました。それが次第にエスカレートし、今では日を指定して勝手にアップグレードしてしまうようになっています。その日付も画面上では気づきにくく、しかもPCを開いていなければ気づきようがありません。朝起きてみたらいつの間にか10に変わっていたといった声も多く聞かれます。NHKニュースウェブでも取り上げられていましたね。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160519/k10010527561000.html
私の場合、8.1を使っているのですが、つい先日、いきなり画面を占領され、一方的に「アップグレードします」と宣告されました。その画面が出ている間、他の画面への移行がまったくできません。しかし「拒否しますか?」というボタンがあるので、もちろんそれを押しました。するともう一度「ほんとうに拒否しますか?」と出たので、やはりそれを押しました。そうしたら起動時の画面に変わり、「数回の再起動が必要です」と出ました。そしてインターネットとの接続が断たれたのです。ちょうど数あるメールを読み込んでいる最中でした。(このあたり、あまりPCに強くないので、このとおりの経過ではなかったかもしれません。)
これまでもアップグレードのメッセージが出るたびにけっこうイライラしていたのですが、ネットにつながらないとあってはそのイライラもいっそう募ります。いくら再起動を繰り返してもつながらないので、電話で知人に尋ねたところ、画面右下のタスクバーに、PCそのものがネットとの連結を断たれていることを示す「インターネットアクセス」というアイコンが出ているからそこをクリックしてつなぎ直す必要があると教えてくれました。で、その通りにすると、右側から「ネットワーク」の画面が出ます。接続環境を示すいくつかの記号が並んでいます。これは自分が直接使用しているものだけでなく、近所で使われているものまで拾ってしまうそうですね。私はWifiを使っているので、それに適合する記号を記憶の中から何とか呼び出し、それをクリックしました。すると今度は、「セキュリティキー」を打ち込まなくてはならなくなりました。セキュリティキー、セキュリティキー、ええっとどこに記録してあったんだっけ。Wifiをいじくりまわしてもなかなか出ません。説明書にノートしておかなかったっけ? 引っ越しの際にどこかに紛れていくら探しても出てこない(イライラ絶頂)。
あれこれやっているうちに、ようやくWifiの中に記録されている場所を見つけました。これでようやくネットにつなげることができたのです。見つけてみると「なあんだ」という話なのですが、しかし日ごろこの種の操作をやりつけていないと、すぐにはわからないですよね。おまけに私はPCを始めたのも遅く、しかも高齢者です。私のような人も世の中にはわんさかいるはず。とにかくマイクロ君の押し売りまがい、ストーカーまがいの行為のせいで悪戦苦闘すること2時間、これだけの労働時間をマイクロ君に収奪されたわけです。
慣れている人なら、こんな悪戦苦闘はお笑いに属するのかもしれません。しかしユーザーの誰もがそんなに慣れているわけはない。困っている人、怒っている人もたくさんいるでしょう。
ともかく私は、このあこぎなやり方が頭にきたので、多くの被害者がいるに違いないと思い、ネットで調べ、人にも聞いてみました。そうしたら案の定、出てくるわ、出てくるわ。ネットからは一つだけ不満が満載されているサイトを紹介しておきます。
http://togetter.com/li/976577
人から聞いた話をまとめます。
①古いパソコンを使っていたが、10に変えたらまったく操作不能になり、近所の電気屋さんで調べてもらったら、修復不能と言われ、新しいのに買い替えなくてはならなかった。
②あまり勧誘がしつこいのでつい10に変えたら、使い勝手が違い、慣れることができず変えたことを後悔している。
③7や8.1との互換性が低く、これまで使っていた周辺機器との接続ができなくなった。
④同じく、これまで使えたソフトが使えなくなった。
私などはまだまだ軽傷で済みました。いずれにしても、これは悪徳商法であり犯罪行為です。いくら無料といっても現に取り返しのつかない被害をこんなに広汎に及ぼしているのですから。
コンピュータをめぐるトラブルはこれまで数限りなくありましたね。「ヘルプ」などは全然役に立たず、用語からして素人にはわからない。ITに詳しい若い知人・友人がいればいいけれど、いない人はどうすればいいのか。また仮にいたとしても、相手も忙しかったり、時間帯が遅かったりしたら、そうそう気安く人に相談するわけにもいかないでしょう。SEに頼んだら大金を取られるでしょうし、頼んでもなかなか来てくれない。締め切りのある仕事を抱えている人がごまんといるのに、いったいこの体制の不備は何なんだと。
それでもユーザーは、涙ぐましい苦労を重ねた上で何とか乗り切ってきたのです。複数のベテラン・ユーザーから、「コンピュータは欠陥商品です」というのを聞いたことがあります。安くないお金をかけて買ったのにどう使いこなしてよいかなかなかわからず、ごく普通の消費者に大きな努力を強いたり、いたずらに神経を消耗させるような商品は、明らかに欠陥商品ですね。にもかかわらず、必要上やむを得ないということで、私たちは我慢に我慢を重ね、やっとそこそこ使いこなせるようになったのです。
それにしても、マイクロ君のこのたびのやり口は度を越しています。こういうことをやって平然としているマイクロ君は、商いというものの基本精神がまったくわかっていません。先述のNHKニュースウェブには、当のマイクロソフト社の担当者の弁が出てきます。
今回の騒動について、日本マイクロソフトの担当者は、無償期間の終了が迫っていることから、通知画面を変更したことが理由ではないかと話しています。通知画面は5月13日に変更されました。この変更によって画面には「Windows10はこのPCで推奨される更新プログラムです。このPCは次の予定でアップグレードされます」などと表示され、併せてアップグレードが実行される日時が示されるようになりました。
最近この画面を見た人も多いのではないでしょうか。中には、あとでアップグレードしようと思い、右上の「×」印をクリックして表示を消した人もいるかもしれません。しかし、マイクロソフトによりますと、この操作だけでは、通知画面が消えただけで、予定をキャンセルしたことにはならないということです。そのため、利用者の思わぬ形でアップグレードされるという事態が起きているというのです。
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