神の子は、教えを信じる者たちの中から十人の弟子を選んだ。
彼等は、十使徒と呼ばれる。
神の子は、裏切り者を指名した。
そのため十使徒の中に、
神の子の裏切り者がいたことに成った。
神の子に指名された者は、
裏切らない者から、裏切り者へと成った。
神の子は、裏切り者へ行動を促した。
神の子は、教えを説き始めた。
神の子と人の子は、ここに栄光を演じる。
神の子は言った。
「神の子の教えに従う者は、
神の子の教えに従わぬ者によって憎まれる。
しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」
神の子は言った。
「私は地上に平和をもたらすために来た。
剣を投げ込むためではなく、平和をもたらすためである。
私が来たのは、人々を仲たがいさせるためではなく、人々の仲を取り持つためである。
神の子への‘愛’は、家族への愛とは異なる。
異なる愛は、比べることもできない。
神の子の教えに従う者に幸いあれ。
神の子の教えは、汝の心の中にあるからである。」
神の子がそう言ったため、
神の子の教えは、人々の心の中にあることに成った。
神の子は言った。
「言葉に神の子の教えを乗せよ。
神の子の教えを言葉に乗せよ。
教えを言葉によって弄ぶ者には、
教えが言葉によって示されることはない。」
神の子は言った。
「神の子の教えは、神の子に対する態度とは関係がない。
神の子は、自分への態度で他人を判定することはない。
神の子への個人的な行為について、神の子が特別に評価することはない。
それは、神の子の振る舞いとして適切ではないからだ。
神の子は、自分自身ではなく、教えによって神の子となる。
神の子は、自分自身の苦難によって、教えを曲げることはない。
神の子は、自分自身の都合によって、教えを利用することもない。
それは、神の子の振る舞いとして適切ではないからだ。
神の子は、教えによって評価する。」
神の子は予言した。
「神の子は裏切られる。
神の子は十字架に掛けられる。
神の子は処刑される。
神の子は、後に復活する。
復活を見なければ信じない者には災いあれ。
復活を見ずとも信じる者に幸いあれ。」
神の子は言った。
「神の子が神の子である所以は、教えを唱えるが故である。
一なる神の声が響くからではない。
一なる神の声を聞かせるからではない。
一なる神は、生きている者の神であり、死んだ者の神でもある。
なぜなら、この世があり、あの世には天国と地獄があるからである。
地獄では永遠の刑罰が、天国では永遠の幸福が得られる。」
裏切り者は、神の子を裏切る。
裏切り者は言った。
「神の子を裏切るのに、世間の銀貨は必要ない。
世間の銀貨で裏切ることは、
神の子を裏切る行為に対して適切ではないからだ。
神の子を裏切ることは、神の子の教えによって為される。」
神の子は、十使徒へ向かって言った。
「十人の中に、一人の裏切り者がいる。
裏切り者は、神の子の教えに従って裏切る。
裏切る者は、神の子の教えによって裏切るために生まれた。
神の子を裏切る者は、裏切ることで神の子の教えに従う。」
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