他がために金は成る?(続きの続き)ー特別会計の闇ー
- 2015/2/5
- 経済
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消費税?焼け石に水です。
国(政府)は営利事業をやっているわけではないので、借金の返済手段はありません。言うまでもなく税収で返済できるわけもない。
借金返済(国債の償還)期限がくれば、新たな借金(借換債:かりかえさいの発行)をして返済金にあてています・・・財務省資料、「国債発行額の推移(実績ベース)」によれば、借換債の発行額は1998年~2014年の17年間で、1475兆円超になっています(なぜこういう金額になるのか辻褄の合う説明もないのでわかりませんが買い換え債の発行は財務省の裁量に任されている)。
借換債の発行は借金返済のために新たな借金を重ねるのだから、サラ金地獄となんら変わりありません。こうして積り積もった借金が4千兆円になったのだろうか。
消費税増税分は借金4千兆円に比べれば、言葉は悪いが「ハナクソ」ほどにもならない。この巨額の借金に対しては消費税の増税くらいでは問題解決の糸口にもならない。それでも財務省が消費税の増税に拘った理由は、次の例をみていただきたい。
経済成長率1%で名目GDPは約5兆円(480兆円→485兆円)の増加ですが、4千兆円の金利は1%+αで40兆円以上の利払い費が発生する。2%の経済成長率ならば名目GDPは約10兆円の増加に対して、借金の利払い費は80兆円以上が発生することになります。
景気がよくなればなるほど借金が借金を生み、借金を肥大化させる構図に陥っているのである。財務省の本音は金利が上昇することだけはなんとしても阻止したいのだと思う。しかもさらに悪質なことは、消費税8%にした後も、今年の景気動向をみてさらに2%アップを用意(二段構え)しているのである。
黒田バズーカは単なる打ち上げ花火。「たまやー」と花火を喜ぶ財務省。
次に財務省が懸念する金利動向について、
財務省の「金利情報」によれば、今年に入ってからの5年未満の国債の金利は軒並みマイナス金利である、10年もの国債でさえ前代未聞の低金利0.2~0.3%である。日銀が猛烈な勢いで国債を買っているからです。
黒田総裁は当初から、2%のインフレ目標を掲げ、達成が怪しくなれば、「デフレ脱却のためならなんでもやる」と言い、ご存じのように黒田バズーカ砲と異名をとる異常な超金融緩和策とでもいうべき金融政策を展開している。
つまり、日銀は政府が新規に発行する額以上の国債を市場からどんどん吸い上げるので国債の価値が益々上がる(需要・供給の関係)、国債の値上がりは国債の利回りが低下するということと同じですから、金利が下がるのです・・・日銀が国債を市場から買いまくるので国債価値は上昇し国債の金利は下落し、
その一方で市場には、行き先を失った(需要がないため)あぶく銭が溜まっている(マネタリーベースは今や250兆円を超えている)。
黒田バズーカ砲は、表向きデフレ脱却にみせかけているに過ぎない、つまりデフレ脱却であるかのように偽装してデフレ維持策をとっているのである(悪質)。
本来デフレ/インフレは、需要/供給の問題であって金融を操作して円安をでっちあげて物価上昇とは邪道である。
日銀が猛烈な勢いで国債を買っているので、昨年11月6日のロイターのコラムに「ブラックホール化する日銀の国債購入」という記事(コラムニスト:Andy Mukherjee)が載っていました。
結論部分を紹介すると、
“より合理的な見解は、高齢化する日本社会には大幅なインフレは訪れないというものだ。今のところ、賃金の持続的上昇は見込めないことがはっきりしている。中央銀行は国債を売却する必要に迫られることもなく、日銀の金庫はブラックホールと化す。そこに飲み込まれた国債は2度と外には出て来ず、市場に残る国債は高価な軌道上にとどまることなる。正誤はともかく、投資家はそれに賭けている。”
結局、いつまでもつかどうかわかりませんが、巨額の借金があるかぎり、金利上昇を回避するために景気回復を犠牲(消費税増税圧力と同時並行)にして日銀は市場から国債を買い続けるほかない。
だがしかし、4千兆円もの国債を買い続けることは可能だろうか、できるわけがない。国債購入者たちから、見放されて国債離れが起きないとも限らない。
そういうこと(国債の暴落→円の暴落)になれば、財務省/日銀の思惑は音をたてて崩れる?それだけではすまない。
次回は、解決策について。
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