ベンチャーサポート税理士法人の森です。
さて以前に海外と日本の税務署や銀行が関係強化をするお話をさせていただきました。今回はその続報です。
公平性を担保する税制改革は着々と進んでいる
先日、海外の口座情報の監視を強化し、富裕層の税逃れを防ぐ具体的な内容が報道されました。40カ国を超す国の税務当局と金融機関が提携をするというもので、かなり大規模なものになるようです。
日本でも2018年から海外に住む日本人の情報が国税庁に集約されるそうです。ケイマン諸島やバミューダと言った、「タックスヘイブン」と言われる地域の海外口座情報も集まるようで、これは本気だなとビックリしています。
日本国内でも海外の人が口座を開いたときには、銀行は年末時点の口座情報を税務署へ提出することが義務付けられました。このように各国の税務当局が情報交換を密にしていき、きちんと納税してる国内の人との公平性を担保しようとしているのでしょうね。
一連の流れの背景には、海外にある相続財産の申告漏れが近年急増しているという問題があります。
2013事務年度(13年7月~14年6月)までの海外の相続財産の申告漏れは、前事務年度の6倍に上ったとか。国税も2014年からは海外に5000万以上資産を持つ人には税務署への申告を義務付けてます。
また今年の7月からは金融資産を1億円以上持っている人が海外に移住するときには、資産の含み益(まだ決済していない株などを時価で決済したとして計算する利益です)に所得税を課税することが決まってます。
このように強化を進めてはいますが、まだまだ氷山の一角と見てるのでしょう。
特に先月から相続税の基礎控除も下がったということもあり、国民へのイメージの面からも国税としては公平な課税をしていることを印象付けたい思惑もあると思います。日本だけでなく世界的にもアメリカ中心に国際的な租税回避を防止する動きを強化しており、各国で公平性が課題になっています。
今までの税制のルールが電子商取引や国際貿易があまり重要でなかった前時代のときのものでしたので、今後、さらにいろいろな強化がされていくものと思われます。今後の動きも注目していきたいと思います。
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