「全ての労働者派遣事業を許可制にする」派遣法の大改正について

今日のテーマは「派遣法の改正」についてです。

大多数の事業者が法律違反となる可能性

突然ですが、派遣法が改正される予定です。質問を多くいただく改正点が、「全ての労働者派遣事業を許可制にする」というものです。

いきなり本題から始めてみましたが、そもそも派遣業をされていない方には関係がない...と思われるかもしれません。しかし、場合によっては様々な業種で関係する可能性があります。

そもそも派遣業って具体的にはなんだろう?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

正式には「労働者派遣事業」といいます。
以下がその説明となります。

「A社がA社の労働者を」、
「B社に派遣して」、
「B社の指揮命令を受けてB社の業務に就業させることを」、
「A社が事業活動として行うこと」

例えば、A社とB社が「請負契約」をして、A社の労働者(社員)がB社の事務所に常駐して作業等をする場合。B社がA社の労働者へ指揮命令をして働いてもらうと、これは法律違反となり、罰則の適用も受ける可能性があります。

では、どうすれば法律違反にならないのか。
A社が派遣業としての許可申請(届出)をして、A社とB社が「派遣契約」を行うことです。

この派遣業は、「特定労働者派遣事業」(特定派遣)と「一般労働者派遣事業」(一般派遣)に分かれます。特定派遣は、派遣労働者が常時雇用される労働者のみである派遣業をいいます。一般派遣は、上記以外の派遣業となりまして、いわゆる短期の労働者も派遣できる派遣業となります。

労働者を派遣するなら、一般派遣の許可を受ける必要がある

本題に戻ります。

今回の派遣法改正は、2度廃案となった末、3度目の正直で閣議決定まではされました。大きな影響点は先にお話しさせていただいた、「全ての労働者派遣事業を許可制にする」というものです。

どういうことかと言いますと、現行の特定派遣がなくなり、一般派遣のみが派遣業を引き続き行えるイメージです。懸念される点は、一般派遣は許可のハードルが高い点です。

ここでは割愛しますが、資産要件や事務所の規模などの要件があります。今回の改正は、平成27年9月1日に施行される予定です。法案が成立すれば、施行日から現在でいう一般派遣の許可要件に該当する会社しか、派遣業を行えないこととなります。

ではそれまでに特定派遣を行っていた会社はどうなるのか。

3年間(平成30年8月31日まで)は、引き続き特定派遣を行えることとなります。反対に言いますと、以後も派遣業を続けるのであれば、それまでに現在でいう一般派遣と同等の許可を受ける必要があります。

まだ、法律が成立したわけではありませんが、今後のためにも色々とご準備いただくほうが宜しいかもしれません。

ベンチャーサポート税理士法人

西部邁

ベンチャーサポート税理士法人

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ベンチャーサポートは、税理士は「サービス業である!」という基本を大切にしつつ、積極的にお客様に貢献できる提案をしていく提案型税理士事務所です。

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