消費税増税の言い訳、実はコロコロ変わっている

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「消費税が増えるのはしょうがない」と言い続けることで庶民を諦めさせるテクニック

 消費税10%をあたかも既定路線であるかのように言う輩が多い。世界的(特にEU諸国)にデフレ不況に陥っているとき、我が国の消費税増税は世界経済の足を引っ張る極めて危険な賭けだと危惧する。取り返しのつかない危ない橋を渡ろうとしているように思われる。

黒田日銀総裁「予定通り実施しない場合のリスクの方が大きい・・・国債は暴落する。」

谷垣幹事長 「一度決めた消費税アップを先送りすれば、日本の信用は下落して、国債の価格は下がって金利は上昇だから・・・増税を先送りする選択は、長期的には日本破碇への道である。」

麻生財務相 「・・・消費税引き上げは国際公約になっている・・・予定通り増税しないと国債暴落のリスクが高まる」

羊飼いの犬がもの言わぬ羊たちを誘導するように、飼い主に媚びる犬エコノミストたちも増税派が多い、あさはかと言うしかない。

 厚労省の生活基礎調査によれば、世帯当たりの年間平均所得は平成6年のピーク時664.2万円に比べ平成24年は537.2万円で127万円低下している。これは総世帯数約5千万に換算すれば63兆円を超える、誰もこの事実に注目しないが、これは消費税に換算すれば25%に相当する。

現代日本における低所得者の喘ぎは、ただのルサンチマンではない。

 ここ20年間、円高になるたびに企業はあの手この手を使って人件費を削減してきた。結果として一部の人(富裕層)を除いて日本人全体の所得を大幅に減らした。収入の低下が需要減をもたらし、デフレ不況になった。その上に4月からの消費税を8%に上げたのである。

我々は実質的に25%+8%=33%の消費税を負担していることになる。

 このような現実を知っているのか知らないのか、政治家もエコノミストもジャーナリストたちも、誰も真実を語らない。おそらく彼らは何も知らないのだろう、知っていればとてもじゃないが、消費税の増税はできなかったはず、彼らは無能の輩と言うしかない。

 黒田日銀総裁のバズーカ砲とか異次元とかいわれる金融緩和は、円安と株価上昇をもたらした。株価上昇は貧しい人たちには縁がない。円安は不況下の物価高、いわゆるスタグフレーションをもたらしている。円安による物価上昇は収入を減らした人たちに追い打ちをかけるように襲いかかっている。愚かなバズーカ男はそういう認識に欠けている。

 バズーカ男はデフレ脱却(2%の物価目標)を大義名分にして登場したが、「円安」は好むと好まざるとに関わらず、物価上昇を招く。

 本来、デフレ・インフレは需要と供給の関係であり、円安による物価高は需要を抑える働きがあり、「為替レートの円安による物価高をデフレ脱却」というのは誤りである・・・景気を良くして国民の懐を豊にして需要を増やすのが正解。彼は円安による物価高を意図的につくりだし「デフレ脱却」にすり替えている(不都合な真実の隠蔽)とすれば極めて悪質である。

 国民所得が低下してデフレ不況(需要不足)のときに、円安による物価高と消費税の増税(需要抑制)策をとれば、日本経済は悪化することはあっても良くなるわけがない、常識である。

私たちの削られた不可分所得は、もうペラペラである
 所得の低下と円安による物価高と消費増税が重なれば、どうみたって家計の購買意欲を減退させるのは当たり前です。こんなことは言いたかないけれど、当たり前のことも理解できない人が政治をやっているのである。

 総務省統計局の資料によれば、二人以上の世帯当たりの月額消費支出は、今年4月~9月の半年間の平均は約28.1万円であり、消費支出の最も高かった平成5(1993)年の33.5万円を5万円以上も下回っている。単純計算だが、5万円は年間60万円に相当する、5千万世帯に換算すれば、全体で30兆円の支出低下ということになります。

 総務省は、「1989年の消費税3%導入時、1997年の5%導入時」の場合と今回の8%導入による消費支出の推移を比較するグラフを示している(下記URLをクリックしてみてください)。
総務省<家計調査>[追加参考図表1]:過去の消費税導入時との比較

 明らかに過去2回の場合と比較して、様相が異なる。過去2回の消費税の場合は、消費税の重みを消化吸収している姿がみてとれる。

→ 次ページ「「国の収支を黒字化する」という大義名分さえ、まともにやる気はないのではないか?」を読む

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西部邁

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コメント

    • tak
    • 2014年 12月 15日

    私は20代前半の男です.せっかくの景気回復の兆しが増税によって潰され,むしろ景気悪化さえしているとのこと同意します.
    ただこの話は直近の経済状況とともに将来の社会保障も考えなければならないのではないのではないでしょうか.

    傘寿であらせられるなら,9人で1人の高齢者を支える形から,現在の3人で1人を支える形への社会保障の変遷をご存知だと思います.こうなれば労働者からの直接税でなく間接税の比率を増やさなければというのは一つの解のように思えます.

    景気が底上げしきる前の増税でタイミングを間違えたのは事実だと思いますが,今後20年,30年を見通すと消費税増税は必要な項目なのではないでしょうか.

  1. 日本のGDPが500兆円。そのうち資本財の維持更新にあてられる分が120兆円だそうだから、国民が消費できるのは380兆円。1億2000万人で割るとひとり316万6666円。
    今日から日本は共産主義、と宣言して国民に平等に配ると、夫婦と子供一人の三人家族は年収950万円の生活が出来る。じいちゃん一人、若夫婦二人、その子供二人、の五人家族だと1583万円。これなら二人の現役世代が一人の年金受給者を支えるのは簡単なのではないか。

    この計算、まちがってます?

  2. Takさんコメントありがとう。
    >社会保障費も考えなければ・・・

    社会保障についてひとくちで述べることはできませんが、
    年金は少しずつ減額されています。

    増大し続ける医療費、
    毎年1兆円近く増加している、特に高齢者医療費が凄いという。

    現代の医療は医者と医療機関を儲けさせるシステムになっている。

    私は、自慢じゃないけれど、現役時代、一度も病院通いしたことがない、健康保険料は納めっぱなしです(笑)。現役引退して18年近くになりますが、町の無料の健康診断は一度だけ受けたことがあるだけです。

    早期発見早期治療と言われますが、70歳以上にもなれば、精密な健康診断を受診すれば、どこか問題点がみつかる・・・これについては苦い経験があります。敢えて病気をみつけることもないというのが私の結論です。
    無論、私なりの健康法をやっております。

    人それぞれの生き方があるけれど、若い人たちに負担増にならないよう心がけたい。
    老人たちもあまえたらあかんと思う。

    >今後20年,30年を見通すと消費税増税は必要な項目なのではないでしょうか.
    本件については、今後書く内容で皆さんと解決法を探りたいと思う。

  3. 画家の矢島俊一さんでしょうか。

    計算そのものは間違っていませんが、いくら共産主義の世界でも、そのようなことが可能とは思えません。

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