高橋是清財政を学べば、今何をやればよいかが見えてくる

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マイナス金利導入後、株価急落、円高進行で日本経済は混迷を極めている。20年近くデフレから脱却できないでいるのだが、本当に不況から立ち直るのにそれほど時間が掛かるのだろうか。かつて世界大恐慌の嵐に巻き込まれた日本経済、インフレ率のマイナス幅は年率10%を超えた。それを高橋是清大蔵大臣は大規模財政出動により、僅か1年でインフレ率をプラスにし、完璧にデフレ脱却に成功し、世界で最速で大恐慌からの脱出に成功した。これは世界的にも高く評価されている。

話は単純で日銀が刷ったお金(金融)を政府が大規模財政支出に使ったというだけだ。異次元金融緩和で日銀はすでに大規模にお金を刷っており、それは日銀当座預金や日銀券という形で出番を待っている。このお金を大規模財政支出に使えば、高橋是清財政の再現となり、日本経済は力強く拡大を始める。高橋財政を理解していない人は、「当時日銀は引き受けた国債の9割を市中で売った」ことを指摘する。なぜ日銀が当時国債を売ったかと言えば、民需を抑えインフレを抑えるためだった。当時は満州事変が勃発し、日本は日清・日露・第一次世界大戦の3回の戦争ですべて勝利し、次の勝利に向かって国全体で協力していた。つまり1円でも多くのお金を軍事費に使いたかったのである。「欲しがりません、勝つまでは」というキャッチのもと、国民は節約し、お金を貯めて国債を買えと言われた。刷ったお金は国民のためというより軍事費に使われ、軍事産業を含めてみれば経済は急速に拡大した。

今は状況は全く異なる。軍事費は当時に比べれば無いに等しい。刷ったお金はほとんどすべて国民のために使える。できれば日本の未来のための投資をしたいものだ。減税や、IT, IoT, 人工知能、などや新エネルギー開発、医療、福祉、介護、教育、公共事業等、思い切って使えば良い。さすがここまで経済が悪化すると財政出動の必要性がチラホラ出てくるようになった。大規模財政支出で経済が活性化し、インフレ率が高くなりすぎ(例えば4%以上)、過熱を抑える必要が出てきたら、高橋財政で行ったように、日銀が国債を売るという選択枝が出てくる。これは出口戦略の一つである。もちろん、これは国債暴落という危険を伴う。国債価格を異常に高くしてしまったら、それを永遠に続けることはできないのだから、いつか正常な価格に戻す日が来る。そのときのショックをできるだけ少なくするには、国債価格の異常な高騰(バブル)は避けるべきであり、マイナス金利などという効果の不明な危険な政策でなく、安全で効果がはっきり分かっている財政政策で経済の回復を目指すべきだ。

財政政策というと、税金で無駄な公共事業をやるのかという人がいる。日銀が刷ったお金は税金ではない。経済を拡大するために、新しく生み出された成長通貨だ。もちろん、返済の必要はないし、税金で補充する必要もない。それどころか、大規模な減税をすることも可能だ。それによって制御不能なインフレを招くことなどないと政府も認めている。つまり、深刻な物不足でない限りハイパーインフレなど起こらないということだ。ある程度まとまったお金が国民に渡ったとしても、それによる需要増加に対して、日本の製造業は十分増産できるし、足りない分は輸入で補えるわけであり、そうなれば日本経済の力強い成長が戻ることになる。それに反対する理由などどこにも見つからない。

小野盛司

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