池上彰は財務省を代弁して日本の借金の解説をした

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テレビ朝日が2015年9月19日夕方6時56分から池上彰の「そうだったのか、みんなの知らない日本」という番組を見た。大変偏向した解説で、彼は財務省を代弁しているだけだった。

日本とギリシャの決定的な違いを隠して解説を続けた池上彰氏

最初に日本には1000兆円以上の借金があるという話。このままではギリシャのようになるというのだが、最も重要な点、つまりギリシャのように通貨発行権がない国とは違い、日本には通貨発行権があるから、いつでも通貨を発行して借金を買い取ることができるという決定的な違いを彼は意図的に隠した。

日本の借金の返済方法として3つの方法が提案されているのだそうだ。これは財務省の考え出した「方法」であり、少しでも経済の知識があれば、馬鹿馬鹿しくてこんな見当違いの方法を提案しない。

方法1:対外純資産が367兆円あるのを使う??
    8割が民間の所有だから政府は使えるわけがない。
方法2:政府資産の売却??
    国会議事堂、国道等売却できないし、年金積立金等も返済に使えない。
    デフレ時に、政府資産を売却すれば更にデフレを悪化させる。
方法3:国民の金融財産(1700兆円以上)を没収して返済??
    国の借金が国民の金融財産を超えたら破綻だって??
    単に国債を発行すれば極めて低金利で資金はほぼ無尽蔵に入るのに、こんな馬鹿なことを政府がやる必要は全くない。

池上彰が隠した重要な事実がある。その目的は国民を騙して消費増税を受け入れさせることだろう。

(1)国の借金とは国が国民から借りたもの。ひたすらに借金返済の恐怖を語るのみで、借金は国民に返すのだということにはわざと触れなかった。
(2)日銀がお金を刷って、大量に国債を買い上げていること、つまり借金の返済が急速に進行中であることも隠した。もちろんやろうと思えば、刷ったお金で借金は全部返せる。日銀券発行では返したことにならないという主張なら、政府貨幣発行による返済という手段もあるのだということも述べるべきだが、それも隠した。しかし、滑稽なのは、政府貨幣に関する説明だけは丁寧に行ったのだ。なぜ政府貨幣発行でも借金は返せるのだということを隠すのか。財務省の意向だとしか考えられない。

池上氏は、国の借金の大きさの国際比較はGDP比で考えると説明した。更に借金があること自体は問題にならないが、借金が増える事が問題なのだと説明した。そのくせどうやって借金の対GDP比を減らすことができるのかということに関しては一切説明しなかった。

減らす方法を示しているのは、マクロ計量モデルの乗数だ。内閣府も計算している。結論としてはGDPを増やせばよいだけだ。つまりGDPを増やすには財政を拡大し経済を活性化すればよい。国の借金は増えるが、GDPのほうがもっと増えるから、借金のGDP比は減っていくというのが内閣府の結論だ。二階敏博氏による二階ペーパーにも同様の主旨のことが書かれている。

結論から言うと、池上氏の説明は全く財務省の代弁だし、財務省流では日本経済は衰退を続けるだけだったという過去の事実がある。池上氏に猛省を促したい。

小野盛司

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コメント

    • あわしまどん
    • 2016年 10月 02日

    一般の人は、知識が無い為、賢い人(と思える人)の話を鵜呑みにするしかありません。
    なので、池上彰さんがこのようなプロパガンダをするとこが国家にどのような悪影響を与えるか。

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