国土強靱化はやっておくべきだった

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過去には様々な議論があった。
「コンクリートから人へ」「めったに来ない洪水を防ぐための堤防補強やダム建設は無駄だ」「ソーラーパネルはどんどん設置せよ」

鬼怒川の堤防はソーラーパネル設置のために切り崩された事実

今回の鬼怒川等の決壊は、これらの無責任な発言が甚大な被害をもたらした。鬼怒川の堤防はソーラーパネルの設置のために自然堤防を切り崩していたために決壊した。今後も災害の危険を無視した工事で設置したソーラーパネルのお陰で大規模な災害が引き起こされる危険はある。

まだ江戸時代に建設された河川の堤防が残っているところが多数ある。現代は大型の重機も使えるわけで、生産性ははるかに高い。人命を守るためにも、人の財産を守るためにも堤防を強化しておくべきだ。二階俊博国土強靱化総合調査会会長や国土強靭化を理論面で支える内閣官房参与で京大大学院教授の藤井聡氏などが国土強靱化計画を提唱している。20年間デフレ不況に陥っている日本にとってはデフレ脱却の手段としては、ぴったりなのだが、なかなか一般の理解を得られないようだ。

その第1の理由は国の借金が1000兆円もあって、もうこれ以上借金はできないと勘違いしていること。第2の理由は、政府は現在の日本は四半世紀ぶりの好景気だと錯覚していることだ。第1の理由が間違いであることは、内閣府の試算をみれば一目瞭然だ。

公共投資をすれば名目GDPが増え、国の借金の対GDP比は減っていくことを内閣府は示した。今の日本経済は四半世紀ぶりの好景気だと感じている日本人はほとんどいない。

投資こそが経済発展の源

そもそも1300年前までは日本にはお金は全く無かった。お金を作り始めその量を徐々に増やしていったことで日本経済が発展した。通貨発行・増発は政府が独占的に行っていて、財政赤字の穴埋めをする形で通貨が発行され、それが経済の発展となった。つまり、財政赤字こそが経済発展の源だと言える。

しかし、奇妙なことに平成になってから、財政赤字=悪、通貨発行=悪という論調が支配的になった。これは経済を知らぬ馬鹿なエコノミストの主張であり、これでは国は豊かになるわけがない。実際、1997年に名目GDPは521兆円に達した後、その後は下落し2014年度は消費増税のゲタをはいてもまだ489兆円にすぎないという惨憺たる状況だ。

緊縮財政は国を貧乏にする。ヨーロッパの若者達は緊縮策に不満を持っており、そういった層の支持を得て、9月12日、英国の労働党の党首には反緊縮財政を主張するコー-ビン氏が当選した。デフレ下で緊縮をやれば、消費・需要は落ち込み、企業業績は悪化し、国民も国も貧乏になってしまうから絶対に行ってはならない。

しかし、日本では消費増税反対の声が聞こえてこない。デフレ下での増税が如何に危険であるか、理解できていないようだ。クルーグマンも「2014年4月の消費増税は完全に失敗でした。2度目の増税をすれば、アベノミクスは完全に墜落してしまう」と言っている。
このまま日本を貧乏にし続けてよいわけはないだろう。次世代に豊かな日本を引き継いでもらうために今こそ我々は増税反対で立ち上がる時だ。

小野盛司

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