18才選挙権を巡るマスコミの偽証。若者の政治離れという嘘
- 2016/7/5
- 社会
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学生運動はノイジーマイノリティー
若者への誤解は、東大紛争があった当時の学生運動に遡ることができます。当時をニュース映像で振り返るたびに、若者がみな日米安保改定に反対していたかのように語られますが、1970年の大学進学率は17.1%に過ぎません。短大を合わせても23.6%で、裏返せば4人に3人は額に汗して働いていたのです。
「学生運動」とは大学に進学できる程度に、経済的な余裕のある家庭に育った子弟による運動で、かつ同世代の人口比率から見て、4分の1にも満たない少数派による主張、すなわちノイジーマイノリティーだということです。そのままSEALDsに当てはまります。マスコミに居座る学生運動くずれの有識者が、彼らを応援するのは青春の残滓なのでしょう。
リア充はMixChannel
つまり、いつの時代も政治に積極的に近づく若者は少数派で、離れているのではなく、そもそも近づいていないのです。EU離脱を国民投票で問うた英国でも、若年層になるほど投票率は下がっており、むしろ政治から遠いのは「若者らしさ」と言えるのです。
我が身を振り返ればわかること。恋愛、部活、バイト、狭いコミュニティでの人間関係に追われ、時に将来の夢を語りつつも、漫画にゲーム、小説などにのめり込めるのも若さの特権です。高校生なら1学期の期末試験が当面の課題となり、いまどきならばLINEを筆頭としたSNSや、恋人とのラブラブな様子を拡散する「MixChannel」などにうつつを抜かしていれば「政治」の優先順位が下がるのは自明。若者と政治を結びつけようとするマスコミは「若者」の実像を掴めていません。
瀬戸の花嫁をだされても
今回の参院選、自民党目玉候補として今井絵理子氏の出馬が決まったとき、若年層へのアピールとマスコミは囃し立てましたが、彼女が所属していたダンス&ボーカルグループ「SPEED」が解散したのは2000年で、今回初めて選挙権を得る18歳の少年少女は、当時は2歳の幼児です。年寄りから見れば「つい最近」ですが、若者にとっては物心つく前のできごとです。こうした「若者像」のズレも、マスコミが衰退している理由のひとつでしょう。
そもそも論に帰れば「18歳選挙権」は憲法改正の手続きを明確化した「国民投票法」に揃える形で改正されました。つまり「18歳選挙権」は「憲法改正」を踏まえてのもの。ところがマスコミは「政治」にばかり焦点をあてて報じます。その姿は、憲法改正を党是とする自民党、実現しようとする安倍政権の立法趣旨に沿っているという意味での正しさを隠すための偽証のようです。
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2016年 7月 15日
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