老いた中国経済が、世界を揺るがす衝撃のシナリオ

中国の不調は「一過性」のものではない

ところで、中国について「現在の不調は一過性のものだろうか?」と誰もが考えると思います。

私は「一過性のものではない」と思います。

RPEでは、10年前から「中国は08~10年の危機を乗り越えることはできるが、2018~2020年に、深刻な危機に突入する」と書きつづけてきました。(ウソだと思う方は、過去の本をご一読ください)

08~10年の危機を超えることができた理由は、「国家ライフサイクルで、まだ成長期前期だったから」です。

2018~20年頃に起こる危機を超えられない理由は、「国家ライフサイクルで成長期後期の最末期だから」となります。

「国家ライフサイクル」。

はじめての人はわけわかりませんね。

ある国が荒れていた(移行期、混乱期)。

ある指導者が出て混乱を終わらせ、正しい経済政策をとりました。

その国は、賃金水準が安いので、「安かろう、悪かろう」で急成長していきます。

こうして「成長期」がはじまるのです。

「成長期」がつづくと、国民が豊かになっていきます。

ところが、国民が豊かになるということは、「賃金水準が高くなる」という意味でもある。

企業にとって、「生産拠点」としての魅力やメリットが薄れてくるのです。

そして、外国企業も自国企業も、「安い労働力」を求めて、他国に移っていきます。

1970年代に「世界の工場」になり、80年代に「一人勝ち」した日本も例外ではありませんでした。

いま中国で起こっていることも、同じなのです。

10年前、中国の人件費は、日本の20分の1ほどでした。

それが2013年には、5.7分の1になった。

日本企業は、「中国での生産はわりにあわないから、東南アジアに引っ越そう」となった。

インドネシアの人件費は、まだ日本の11分の1、ベトナムは20分の1。

だから、「中国で生産するのは損だ」ということなのです。

さらに、「円安だから日本に帰ろう」という動きも出てきています。

今後、中国から外国企業、中国企業が逃げる傾向は、ますます加速していくでしょう。

長くつづいた(今年廃止された)「一人っ子政策」による「労働人口減少」も、長期にわたって中国経済に打撃を与えつづけます。

というわけで、「中国で現在起こっている問題は、長期になる」と思った方がいい。

中国に期待していた欧州の国々も、ようやく気づきはじめました。

いまのうちから、対策を検討することをお勧めします。

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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