サプライズを流行語にした小泉首相
言わずもがな、サプライズという言葉を流行語に導いたのは、小泉首相でした。流行語として、評価されたのは2004年でしたが、彼が首相に就任したこと自体がサプライズだったという意味では、就任当初からサプライズだったといえるわけです。
サプライズを語源から紐解くと、「不意を打つ」という意味に近くなります。
例えば、郷ひろみのゲリラライブを始めて見た、99年当時の人々は、不意をつかれたでしょう。不意をつかれた人々は目の前に繰り広がる光景を理解しようとします。それは、自分にかかるストレスを和らげるための反応の一環です。
そして、その日の夕方や翌日の新聞、テレビで種明かしをされると、安堵になるわけです。しかし、意識下に残ったイメージは払拭できず、その体験を人に語ることによって、自らの中で意味を与えていきます。
そうして、ブームは作り出されていくわけです。
サプライズが常態化した日常
今日では、サプライズが常態化してしまいました。例えるならば、アメリカのドラマで女性が友人とともに恋人を自宅で待ち受けて、恋人が入ってきたタイミングで、クラッカーの音とともに述べる「Surprise」のかったるそうな発音のようなサプライズしか、この世界にはなくなっているように思います。
そういう意味では、90年代を経て、「目新しさ」が奪われていってしまったことこそ、20世紀と21世紀の間に広がる深くて暗い溝なのかもしれません。
※第15回「フラッシュバック 90s【Report.15】椿発言を皆さん、覚えていますか?」はコチラ
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