安藤忠雄は普通に被害者。そもそも基本設計はザハでも安藤でもない

ちなみに、私が長年勤めた大阪読売テレビの社屋設計は日建設計です。私が入社した時の読売テレビの社屋は、東本願寺天満別院に間借りしていて、建て増しに次ぐ建て増しで、ほとんど迷路のような構造でした。全国のテレビ局で、お寺に間借りしている局なんて他にないでしょう。「照明が落ちても火の玉で照らせば大丈夫」なんて冗談が日常的に交わされてましたからね。ある時など、報道局脇の「共用応接」と看板のかかる部屋を開けたら、丸坊主で袈裟をまとった僧侶が集団で会議してましたしね。新入社員の頃は、ホントびっくりしました。そんなわけで、今の社屋に移った時には結構嬉しかったです。デザインも奇をてらわず、シンプルな美しい構造で好感持てます。さすが日本を代表する日建設計です。これだけ褒めたんだから、何か下さい。って、設計事務所から貰えるものはあんまり想像できませんね。自宅の設計を無料にしてもらっても、建てるお金がありませんしね。

その日建設計、梓設計などが出した建築費の概算が1650億円だったのに、いろんな人がごちゃごちゃデザインに文句を付けているうちに1年が過ぎ、気が付いたら2520億円に建築費が跳ね上がっていたという訳です。背景にあるのは、こんな巨大建築物を手掛けたことのない文部科学省という組織の無能と無責任です。もし事業主体が文科省でなく国交省なら、ゼネコンとの交渉はもうちょっとうまくやっていたと思います。もっとも、将来の日本に禍根を残す東北東海岸に建設中の巨大防潮堤に、「兆」の単位の金を投じる国交省は別の意味で「悪の総本山」ですけどね。

『辛坊治郎メールマガジン』より一部抜粋

著者/辛坊治郎
「FACT FACT FACT」をキーワードに、テレビや新聞では様々な事情によりお伝えしきれなかった「真実」を皆様にお伝えします。その「真実」を元に、辛坊治郎独自の切り口で様々な物の見方を提示していきたいと考えています。
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