今回の記事では放射性廃棄物の処理をどうするかという問題について、
・脱原発をするかどうかとは無関係に取り組まなければならない問題であること。
・地層処分が最適とされていること。
・地層処分にも問題があること。
・群分離・核変換という解決手段があること。
・群分離・核変換技術を用いるには二つの手段があること。
・群分離・核変換は非現実的な話ではないこと。
・放射性廃棄部の処理は長期的な視野が必要であること。
という7つの点から論じていきたいと思います。
脱原発をするかどうかとは無関係に取り組まなければならない。
福島第一原子力発電所事故があり、脱原発をするべきかどうかという議論が盛んになりました。また、それとともに放射性廃棄物の処分をどのように行っていくかという議論もまた盛んになって参りました。
脱原発をするかどうかということと、放射性廃棄物の処理をどのように行うかという問題は、本来は別々の議論であるはずです。なぜならば脱原発をしたところで既に発生した放射性廃棄物をどうするかという問題は無くならないからです。
つまり、脱原発をするかどうかとは無関係に考えなければならない問題なのです。
地層処分が最適とされている。
放射性廃棄物の処分は様々な方法がありますが、地層処分が最適であるとされています。
地上においての長期管理は、自然災害やテロといった様々なリスクから万年単位で管理し続けることは不可能なことから最適でないことは容易に判断がつきます。
宇宙に打ち上げる宇宙処分も墜落などのリスクを考えると最適ではありません。
海洋処分はロンドン条約により禁止、氷床処分は南極条約により禁止となっており、いずれも現実的ではありません。
それに対して地層処分は、地表深くに埋めることで、自然災害やテロといった様々なリスク無縁となるといった観点から最適とされています。
地層処分にも問題がある
しかし地層処分も問題があります。まず、処分の場所がどこにするかが決まっていません。現在の法律では、最終処分地の候補地は全国市町村から応募される形になっており、一度2007年に高知県東洋町という自治体から応募があったのですが、町長がその民意を問う選挙で負けたため、応募が取りやめになってしまいました。民主主義的にどのように処分地を決めるかという問題があります。
この民主主義的な問題を解決するべく、自民党の石破幹事長は最終処分場の候補地選定は政府主導で行うべきだとの発言をしております。もし仮に政府が主導して最終処分地を決定すれば、この問題は解決されます。
しかし最終処分には他の問題があります。発生した放射性廃棄物の毒性が天然ウラン並になるまでの期間は約10万年と言われています。そんな遠い未来まで果たして安全性を保証できるのかという問題があるのです。
群分離・核変換という解決手段
この問題を解決する方法として、群分離・核変換技術というものがあります。
群分離技術とは核分裂により発生した物質を性質ごとに分離させる技術のことで、核変換技術とは長寿命の放射性核種を短寿命あるいは安定核種に変換する技術のこと、二つをセットにして群分離・核変換技術とされています。
この群分離・核変換技術を、ウラン燃料を燃焼させることで発生した放射性物質に用いることによって、その毒性が天然ウラン並になるまでの期間を約10万年から約300年にすることができます。この技術は放射性廃棄物の処理を考える上で極めて重要な技術なのではないでしょうか。
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2コメント
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世の中、何でも「難しい問題だよね~」って言っておけば頭がいい様に見られるような風潮がありますが、
原発問題についても、正にそれだと思います。
福島の原発の程度の放射性物質など、健康上何の悪影響も考えられないのに、人々の恐怖心が嘘を呼び、まるでとてつもなく危険なもののように認識されているだけです。
事の真相はごくごくシンプルで、あとは気の持ちよう(風評被害の払拭)だけの問題です。
反原発の人達やマスメディアがどれだけ嘘つきかは、向井さんも読者の皆さんも恐らく皆さんご存知でしょうから、「そもそも本当に危険なのか?」というところから考え直してみてはどうでしょうか。
それこそが、原発問題の唯一の解決方法だと私は思います。