【書評】企業の倒産を20年取材したプロが教える「ヤバい社長」
- 2015/7/30
- 経営
- まぐまぐニュース!
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スカイマークの負債総額は約710億円(申立時点の2015年1月現在)と巨額ですが、実は同社は無借金経営でした。潤沢な手持ちの現金で航空機を調達するほか、リース会社から借りる形をとっていたため、この会社には「メーンバンク」といったものが存在しませんでした(中略)スカイマークの倒産はメーンバンク不在の事態が招いた「円安倒産」の側面があったといえます。スカイマークのリース支払い債務は約5億ドルと巨額でした。そのドル建て支払い債務の「為替ヘッジ」を行っていなかったことで、円安の影響をもろに受けた格好となりました
アクセルを踏む勇気よりも、ブレーキが踏めるかどうかが、経営トップや取締役会に求められる役割
白元の四代目社長
・「売上至上主義」を掲げた結果、無理をしていわゆる「押し込み販売」
・継続した取引を約束して、それを信じた取引先が設備投資を行ったにもかかわらず、その後それを反故に
危ない会社の兆候
・管理職がやめる会社は危ない
・経営トップの肩書きがやたらと多いのも危険
・支払いのサイト(期間)が長くなるのは危うい兆候
・怪しい会社は名前が変わる
・将来の話ばかりする社長は危ない
2014年度の「円安関連倒産」の合計は401件で、前年度(178件)の約2.2倍に急増し、倒産企業の従業員数は7915人と、前年からほぼ倍増しました。業種別に見ると、累計で「運輸業」(99件、構成比24.7%)がトップを占め、このほか繊維、食料品、建設が目立っており、全体の約75%を負債5億円未満の中小企業が占める
粉飾する際に最初に操作する可能性が高い部分が在庫
経理部長本人しかわからない書類が存在する会社は注意が必要
帝国データバンクの集計では、40歳前後の社長がいる会社が増収増益を達成するのが一番多く、なだらかに減る形で50代、60代と続きますが、70歳を超えるとがくんと下がります
会社がつぶれる原因はやっぱりお金です。お金がまわらなくなることが最大の原因です
第4章には、「生き残る企業の条件」と題して、虎屋、渡辺パイプ、岩井の胡麻油、ホテル佐勘、ういろうなど、長寿企業へのインタビューも掲載されており、興味深く読むことができました。(渡辺パイプ、面白い会社です)
経営者、コンサルタント、銀行員、起業を志す方は、ぜひチェックしてみてください。
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