周りを攻撃することも…?
また他にも、劣等感の中には
「優れた人間でいたいのに、それができない」
「みんなの賞賛を受けたいのに、それが難しそう」
という気持ちもあります。
そんなときに、「プラスの評価を受けられないなら、マイナスの評価でもいいから受けたい」という気持ちがあります。
おいしい食事を食べたいのは誰にとっても本音。しかし、その食事がまったくできなくなったらどうでしょう。
何も食べないよりは、たとえマズイ食べ物や、腐ったモノであっても食べた方がマシ…。そう思うのに似ているかもしれません。
とにかくプラスがダメならマイナスでも、と考えて、たとえば悪いことをしたり、みんながイヤがることを堂々としたり…。
このように「負の注目を集めようとする」という心理もあります。
すべて、根本は「劣等感」です。
重ねて劣等感そのものは、いいものです。
それを解消するために行動する、原動力となります。
しかしながら、その「行動」をあきらめ、その気持ちだけウツウツと抱えてしまうのが「劣等コンプレックス」。
その劣等コンプレックスの裏返しで、自分は優れているとアピールし、いかにも劣等感がないかのように振る舞うのが「優越コンプレックス」。
そしてそれだけでなく、負の注目を集めようと、悪いことをしてしまうこともある…というのがアドラー先生の考え方です。
根本はいいものであるのに、本人の間違った行動によって悪くなってしまうこともあるのが、劣等感なのです。
さらに一歩進むと「負の注目」レベルではなく「復讐」をすることもあります。
たとえば、わざと悪い人生を進むことで、親に復讐をしたり。
自分の意に沿わない友達や恋人を攻撃することで復讐をしたり…。
そんな風に、過剰な劣等コンプレックスが、相手への攻撃になってしまうこともありえます。
不完全さを認める勇気。
アドラーの弟子である、ルドルフ・ドライカースは、
「不完全さを認められる勇気を持つことが大切」
と述べています。
何にせよ、完全な人間なんて、一人としていません。
そのため劣等感はあって当然で、劣等感を否定しても何も始まらず、認めることが何より大切だ、というわけです。
とにかく大切なのは、あなたの中の劣等感を認めること。
間違っても、周囲を攻撃したり、自慢をしたりすることで、その劣等感から目をそらすのはやめてください。
それは不幸にしかつながりません。
劣等感を認め、そして解消するために、何らかの行動をするしかないんですよ。
どうか覚えておいてくださいね。
今回のまとめ。 「アドラー心理学3 ~劣等感はあっていい」
○ 劣等感を持っていない人はいない。
○ そして劣等感を抱くことはとても大切。行動の原動力になる。
○ それを認めず、自慢や周囲の攻撃に走ってはダメ。
○ 目をそらすだけではどんどん状況が悪くなるだけ。
○ 行動でしか劣等感は解消できない。
さて、では具体的にどんな行動をすればいいのでしょうか?
それについては、また次回以降で扱っていきましょう。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
『★セクシー心理学GOLD ~最先端の心理学技術★』第509回(2014年6月18日号)
著者/大和まや・ゆうきゆう(精神科医・心理研究家)
あらゆるジャンルの心理学を極めた、セクシーな精神科医たち。あやつる心理学のスキルは1000を超える。「ゾクゾクしなければ人生じゃない!」がモットー。趣味は瞑想と妄想。特技はスノーボード。
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