なぜ、いま? 米国がFIFA汚職の摘発に踏み切った思惑

1つめは、FIFAからイスラエルを追い出そうとしたことにあり(先月もこの件でスイス国内でデモが起きています)、しかし今回の主要幹部逮捕後、この決議案そのものが退けられることになりました。ちなみに今回の幹部逮捕は、その議決日の2日前でした。

2つめは、2018年のワールドカップ開催地であるロシア大会を米国が阻止(邪魔)するためであり、よって今回の汚職が表面化した直後にロシアのプーチン大統領が「これは米国の内政干渉だ」と公然と批判するに至りました。

海外報道では、米国のジョン・マケイン議員とロバート・メンデス議員が、ロシアのワールドカップ開催に異を唱えている、と名指しで報道しています。

3つめは、米国内の人種構成がラテン系とアジア系が急増していることから、米国的スポーツ=アメリカンフットボールとベースボールの人気に影が見えはじめ、米国で人気が出てきたサッカー業界に米国の影響力を強める工作活動の一環である、という観点です。

そして最後は、先月スイスとEUは租税情報の自動交換案に調印しました。これにより、ブラックボックスだったスイスの金融機関情報は、(米国にとって)風通しが良くなると言われています。

スイスの持つ「秘匿性」を、米国が圧力で取り払ったことから、スイスに本部を持つ国際団体のクリーニングがはじまったとの見方もあります。

これらの複合的な理由から、欧州システムに君臨するFIFAを米国利権にしようと考えている可能性が高くあると僕は見ています。

そうすれば(サッカー利権を手中に収めることができれば)、世界的な放送利権や広告利権を米国が手にできるほか、米国民に「人気のスポーツ」を与え、あらゆる形でコントロールすることも可能だからです。

実は、今回FBIと今回合同捜査にあたったIRS(米国国税庁)は、1991年からFIFAの汚職を知っていたことが明らかになっています。

少なくとも2年前には、本件の多くを掴んでいました。このタイミングに米国の「なんらかの思惑」があるのは確かだと見て間違いありません。

余波はもう少し広がるでしょう。

『高城未来研究所「Future Report」』第207号より一部抜粋

著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。

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