緊縮財政が原発事故の原因か?
- 2013/10/25
- 経済
- 原発, 緊縮財政
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緊縮財政からの脱却こそ、今の日本が行うべき真の構造改革
裏を返せば、
「政府がこれまでの緊縮財政路線を捨てて積極財政に転じれば、上記で述べた悪循環が逆転し、原発を稼働させながら(というよりも稼働させることによって)、安全性と経済的な豊かさの両方を享受できる可能性がある。」
ということです(「使用済み核燃料処理問題」等の論点について議論を尽くしていないため、ここでは「可能性」という表現にとどめます)。財政支出拡大対象の一部を、原発をはじめとした発電設備の安全投資支援に充てれば、より一層効果的でしょう。
先月報道された福島第2原発の廃炉問題(下記参照)なども、政府自身がスタンスを変えれば、全く違った結論が導き出せる可能性があります。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98T05020130930
(経産相が福島第2廃炉の可能性示唆、「他原発と同列でない」 | Reuters)
第2原発の方は、それなりの安全投資をすれば大震災にあっても致命傷にはならないことを証明したわけですし。
他方、「緊縮財政路線を継続したままの電力自由化推進」などは、電力会社の経営をより一層不安定にし、「発電設備」という公共インフラのさらなる劣化をもたらす愚の骨頂の政策であることは、今回の経験から明らかではないでしょうか。
にもかかわらず現実は下記報道の通りで、電力全面自由化を志向した電力事業法の改正や、「目先の利益を確保するための、原発以外の電力設備への性急なメンテナンスコスト圧縮」といった、悪循環に拍車をかける方向に進みそうな兆しです(「コスト圧縮」というと真っ当に聞こえますが、実態は外資系コンサル会社を使った節操の無い業者叩きになるのがオチでしょう)。
このままでは、電力産業が建設産業に続く「政策的構造不況業種」になりかねません。
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/131016/cpd1310160500000-n1.htm
(電力全面自由化へ一歩 電気事業法改正案を閣議決定 – SankeiBiz(サンケイビズ))
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF2200L_S3A021C1MM8000/
(東電が調達・発注見直し 競争入札4倍、1000億円削減:日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS22032_S3A021C1EE8000/
(東電、修繕先送り限界に 調達・発注見直し:日本経済新聞)
「緊縮財政ありき(≒日本は経済成長しない)」の前提を取っ払えば、こうした発想とは180度異なる、より建設的な議論や政策形成ができるのではないでしょうか。
緊縮財政からの脱却こそ、今の日本が行うべき真の構造改革なのです。
↓今回のプレゼン資料をまとめたものです。
緊縮財政が原発事故の原因か?.pdf
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2014年 7月 17日トラックバック:【島倉原】積極財政と原発問題 | 三橋貴明の「新」日本経済新聞
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