積極財政こそが成長戦略

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インターネット動画「チャンネルAjer」の収録を行いました。
今回は「積極財政こそが成長戦略」というタイトルで、全体で約35分のプレゼンテーションです。

動画:チャンネルAjer『積極財政こそが成長戦略①』島倉原 AJER2014.5.30

名目GDP+補助金=雇用者報酬+営業余剰+固定資本減耗+間接税

というマクロ経済の構造を示す恒等式を出発点として、政府の緊縮財政による名目GDPの成長ストップが企業の国内投資意欲、ひいては生産能力や国際競争力を低下させている構図を説明した上で、積極財政こそが真の成長戦略であること、それを考慮せずに検討されている法人税減税等はむしろ逆効果になりかねないことなどを論じています。

↓今回のプレゼンテーション資料です。
積極財政こそが成長戦略.pdf

以下はプレゼンテーションの概要です。

「円高不況論」は誤っている

デフレ不況になって以降、企業の国内投資意欲は著しく低下しており、デフレがスタートした1998年から、非金融法人企業の貯蓄=投資バランスは恒常的な貯蓄超過に転じています(参考記事「失われた20年のもたらしたもの」)。そして、こうした投資意欲の低下、特に製造業の空洞化が進んでいる原因を、円高に求める議論があります。
しかしながら、長期的な観点から見れば、企業の投資意欲低下を円高に求めるのは無理があります。例えば、図1は1874年以降のドル円レートを歴史的な観点も交えて図示したものです(変化率を見やすくするため、対数目盛で表示しています)。価格変動が激しい時期と穏やかな時期が20~30年の周期で交互に訪れ、1990年代後半以降の約20年は「変動相場制ながらも安定期」であることがわかります。

【図1:1874年以降のドル円レート(年平均値)の推移】

図1「1874年以降のドル円レート」

また、図2は米ドルだけでなく、各国との貿易ウェイト等を加味した実効為替レートの推移を示したものです。1990年代後半以降、名目レートについては米ドル同様安定的ですし、貿易収支とより関連が深い実質レートに至っては、むしろ円安方向で推移しています。
つまり、デフレ不況が円高圧力になることはあっても、その逆ではないということです。

【図2:実効為替レートの推移(1970年~、年平均値を自然対数変換)】

図2 実効為替レートの推移

実際、企業の投資意欲を左右する最大の要因は、「その地域にビジネスチャンス(利益成長の機会)があるか否か」であって為替レート(あるいはそれによって左右される人件費その他の製造コスト)ではありません。例えば、経済産業省の「海外事業活動基本調査(2012年度)」では、ある国や地域への投資を決定したポイントを問う質問(3項目までの複数回答)に対して最も回答率が高かったのは、「現地の製品需要が旺盛又は今後の需要が見込まれる(66.7%)」でした。

→ 次ページ:「緊縮財政こそが投資意欲低下の真因」を読む

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西部邁

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