政治屋?喧嘩師?橋下徹大阪市長って結局どうなの?

政治経済の授業を受けたのか?橋下氏の“政治”に対する見方

私は、この討論が開始される前の時点では、おそらく桜井氏の主張に対し、橋下氏が詭弁を弄しながら、のらりくらり躱すような討論になるのではないかと予想していたのですが、実際には全くそのような展開にはなりませんでした。とても見るに堪えない映像でしたが、「文句があるなら政治家になれ!!」を連呼する姿から橋下の政治観民主主義観がはっきり出ていて面白かったです。

おそらく、彼にとって民主主義とは、白紙の委任状か、あるいは、独裁者の椅子を獲得するための人気取りゲームなのだということが、この短いやりとりだけでもよくわかります。

つまり、橋下徹と言う人物の「政治観」というのは、

政治的な決定権の一切は全て政治家の手に委ねられており、政治家以外のあらゆる一般市民は、せいぜい決定権を持った政治家に陳情するくらいしか有効な政治的手段を持たない

という考えなのですね。

 もちろん、議会制民主主義において、最終的な政治的決定権は政府や議会にあるのは確かなのですが、それでも、民主主義である以上、その議会における政治的な政策決定プロセスにおいて、様々な世論や国民的議論の結果や動向は十分に配慮されてしかるべきです。

 また、在特会がルール、つまり法律に則った政治的主張を行っているか?という問題に関しては、少なくとも、一部の例外を除いては、基本的に現行の法律に則って政治的主張を行っている以上、「俺たちはちゃんとルールに則って政治的主張を行っている!!」という桜井氏の主張に分があるでしょう。少なくとも、現在の法律において、在特会の活動を違法とすることは不可能なことから、橋下氏が大阪市長という立場から「在特会は大阪から出て行け!!」という主張するということは、地方行政の長が

「俺の気に入らない事を言う奴はとっとと大阪から出て行け!!」

と主張するに等しい、なんとも言論弾圧的、反法治主義的発想であるとも言えます。

 それから、最後にどうしても気になったのがマスコミの反応です。いかなる理由であれ、仮にも政令指定都市の市長である人間が市民に向かって「お前!!」や「うるせえ黙れ!!」といった言葉を連呼するということは許されることではないでしょう。このような暴言を平気で吐く市長に対し苦言の一つも呈することが出来ないマスコミの腐敗ぶりは、もはや救いがたいレベルの達しているのではないかと思います。

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西部邁

高木克俊

高木克俊会社員

投稿者プロフィール

1987年生。神奈川県出身。家業である流通会社で会社員をしながら、ブログ「超個人的美学2~このブログは「超個人的美学と題するブログ」ではありません」を運営し、政治・経済について、積極的な発信を行っている。

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コメント

    • kanata
    • 2014年 11月 10日

    全くもって非の打ち所のない完璧なご意見ですね。あまりにまともすぎて克俊ファンから文句が出るのではないか、と思われるほどの正論ですが、僕は奇をてらった意見よりも正当な正論が好きです。あんな討論をやっておいて、橋下徹に対するリコールの声さえ起こらない、大阪という都市はどうなんでしょう?沖縄なんかより先に大阪が独立して、日本から出て行ってもらいたい、とさえ思いますね。

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