去る10月20日、首都圏では、安倍内閣の女性閣僚二人松島みどり法務大臣と小渕優子経産大臣のダブル辞任が大きなニュースになっていましたが、関西方面では全く違うニュースが話題になっていたようです。
橋下徹・大阪市長と桜井誠・在特会会長が面談 怒号飛び交い、10分で打ち切り
以前からネット上の一部政治ウォッチャーの間では話題になっていた橋下徹大阪市長と、在特会(在日特権を許さない市民の会)会長桜井誠の意見交換会です。関東のニュースでは女性閣僚二人の同時辞任がクローズアップされたため、ほとんど話題にすらされていませんでしたが、関西のニュース番組では10分間の面談の様子がほとんどノーカットで流されていたようです。
あまりにお粗末な橋下氏の議論と呼べない“ののしり戦法”
実際には、意見交換どころか子供の口喧嘩のような罵り合いの応酬で、「これが本当に大阪の市長なのか?」と目を疑うほどの酷いやり取りだったのですが、この10分間(予定では30分でしたが、両社が激昂していたため10分で打ち切り)の間のやり取りの中でも橋下大阪市長の政治観、民主主義観などを垣間見ることが出来たのが面白かったです(こちらのサイトで全文の書き起こしがされています 橋下大阪市長と在特会会長が「罵り合い」10分間の不毛なバトル(全文書き起こし))。
橋下氏が「民族とか国籍をひとくくりにして差別するような発言はやめろ」と批判したのに対し、桜井氏は、「一体、具体的にどこでどのように、俺が差別的な発言をしたのだ?言ってみろ!!」と応戦、このような質問に対し、橋下氏は一切答えられず、「うるさい!!お前のような差別主義者が大阪にいられると困るんだよ!!」といったように、話題を逸らします。この時点で、実際には、橋下がほとんど在特会の活動の実態について知りもしない上に、面談に備えて調査や準備を全くしていなかったことが明確にみてとれます。
つまり、橋下市長は、ほとんどなんの情報も客観的根拠もないままに、一方的に差別主義者というレッテルを貼っていたのですね。ちなみに、私の知っている限りでは、このように客観的な根拠を持たずに特定の人物や集団にレッテル貼りを行う人物のことを差別主義者と呼びます。
その後、桜井氏が「民族とか国籍をひとくくりにして差別するなというなら、朝鮮人はどうなるんだ?!あいつらは日本人をひとくくりにして差別的発言を行っているぞ!!」と述べたのですが、その質問に関しても全く何も具体的には答えられていませんでした。普通、差別的発言そのものを問題にするのであれば、たとえば
「朝鮮人でそのような発言をする人間がいるなら、そういった人物にも注意すべきだと思う」
程度のことは言うべきであると思うのですが、それすらも言わなかったのですから、それは、朝鮮人による日本人差別は容認、もしくは黙認するということになります。つまり、少なくともこの討論の場においては、橋下は、日本人の政治団体による朝鮮人に対する差別的発言は客観的な証拠や根拠が一切なくとも批判するが、朝鮮人による日本人への差別的発言は黙認するというカタチで明確に朝鮮人側に味方をしていたわけです。おかしな話ですね。
また、イチ政治家が一般国民に対して、「お前」だの「うるせえ」だのと騒ぎ立てる姿は不快感を超えて醜悪ですらありました。
加えて、私としては、次のような二人のやり取りも興味深かったです。
橋下「民主主義のルールに基づいて、政治家になるなりしてみろよ」
桜井「民主主義のルールに基づいて許可を取って政治的主張を行ってるんだけど?」
この桜井の主張に対して、橋下は、ほとんど何も言い返せていませんでしたね。はっきり言って、彼自身が民主主義とは何かを理解していないのでしょう。
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2コメント
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全くもって非の打ち所のない完璧なご意見ですね。あまりにまともすぎて克俊ファンから文句が出るのではないか、と思われるほどの正論ですが、僕は奇をてらった意見よりも正当な正論が好きです。あんな討論をやっておいて、橋下徹に対するリコールの声さえ起こらない、大阪という都市はどうなんでしょう?沖縄なんかより先に大阪が独立して、日本から出て行ってもらいたい、とさえ思いますね。