愛国心が馬鹿の代名詞になった日~貧困JKと愛国者たちの戦い~

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Twitterで大炎上した自称貧困JKうららさん問題

最近ではほとんど定期的に起こっているネット上のネトウヨとネトサヨ界隈のイデオロギー対立炎上事件ですが、今回話題にする対立のきっかけはNHKの貧困問題における特番でした。簡単に経緯を説明すると、神奈川県が今年5月、経済的に厳しい状況にある高校生などを委員とした会議を設置したのですが、この会議に委員の一人として参加していたうららさんという女子高生をNHKが取材しその生活の様子を特番で紹介しました。

この貧困女子高生のうららさんを紹介したNHKの特番『子どもの貧困 学生たちみずからが現状訴える』では、うららさんの生活上での「自宅のアパートには冷房はない」「パソコンを持っていなかったうららさんが、授業で先生に「ダブルクリックして」とか「画面をスクロールさせて」などと言われても、ついていくことが出来なかった」「絵が好きで、アニメのキャラクターデザインの仕事に就きたいと、専門学校への進学を希望していたが、入学金の50万円を工面することが難しく、進学は諦めた」等の貧困エピソードを紹介し、最後に経済的な理由で将来の選択肢が狭まっていく現状について問題提起するという構成になっていたそうです。

貧困JKの豪遊(?)発覚でネットは炎上

しかし、この番組放送後、ネットではこの貧困JKうららさんのものとおぼしきTwitterアカウントが特定されます、そのアカウントでは過去にアイフォン、高額なDVDやゲームソフト、画材等を購入したり、映画を複数回視聴した半券、千円以上するランチの写真等をアップするなどしていたことから、「貧困のクセに豪遊してるじゃねーか?!」という批判が殺到し炎上しました。

国会議員も参戦!!ネット上では熱過ぎるJKいじめへ!!

まあ、ここまではある意味でよくあるネット上の炎上案件なのですが、今回はいわゆるネトウヨとネトサヨのイデオロギー対立にまで発展したためによくある炎上事件以上の盛り上がりを見せます。炎上後、なんと国会議員の片山さつき氏まで参戦、それまでにット上ではうららさんの自宅住所を含む個人情報が晒されて問題となっていたのですが、さらに片山さつき参議院議員が自身のツイッターで、「チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思う方も当然いらっしゃるでしょう」「NHKに説明をもとめ、皆さんにフィードバックさせて頂きます!」と、女子高生バッシングに加担します。

神奈川県子ども家庭課の小島厚課長(55)「なんであそこまでやるのか。高校生相手にですよ」と憤ったそうですが、57歳の女性国会議員が必死になって女子高生をバッシングする姿は不愉快であると同時に滑稽でもありました。

女子高生をTwitterで集団リンチする程度の愛国心

今回の事件で気になったのが、最もこの貧困JKをバッシングしていたのが、「保守」とか「愛国心」とかを掲げるいわゆる愛国ネトウヨクラスタ的な集団だったことです。もちろん、今回はNHKで特集され、ネット上でも大炎上したためにいわゆる便乗的にこの事件を取り上げたメディアも多かったのですが、中でも特にバッシングした人々が、「国を愛する」とか「普通に日本人です」とか「日本を普通の国に」とか言っている愛国ネット右翼様方です。

おそらく、かつて「愛国者」という称号は、国家を想い、政治的活動を行う人間にとって最も栄誉あるものであり、「愛国心」とは簡単に口に出すのが憚られるような重みをもった言葉だったはずなのですが、いつの間にか、「国民が国家を思うことは当たり前のこと」と言われるようになり、そこから「愛国的じゃない人間は非国民」となって、現状においてはほとんどかつてマヨネーズを好きな人がマヨラーと呼ばれたのと同じような気楽さで愛国者を自称できるようになりました。

かつては、演歌でこぶしを効かせながら謳いあげられるはずだった愛国心が、いつの間にかJ-POPやヒップホップで歌われるような気楽さで、「愛国心のある奴は大体友達!!」みたいなノリで語られるようになっていったんですね。彼らは、おそらく出来るだけたくさんの人が「国を想い国を愛する立派な日本国民になってくれるように」と思って、このような啓発活動を行ったのでしょうが結果として起きた現象は愛国心の大衆化、俗悪化でした。

愛国心をアピールして人気を得る政治家たち

あらゆる大衆化現象がそうであるように、大衆化し、俗悪化した愛国心は容易にポピュリストの政治家に利用されることになります。今回の片山さつきが典型ですが、愛国心も大衆化すると、「私はこんなに愛国心があるので応援してください!!」とアピールして人気取りを行う政治家が出てきます。今回の例は特に性質が悪いと思うのですが、正義や愛国心の元に一人の女子高生をネットで締め上げて様々な嫌がらせが行われたのです。

もちろん、今回の事件に関しては取材をしたNHKにも配慮が足りなかったし、取材を受けた女子高生の側にも様々な問題点があったことも明らかでしょう。しかし、今回のようにネットで国会議員まで加わり大勢で一人の女子高生に徹底してバッシングを行い、わざわざ映画に出かけた回数や、外食ランチの回数まで調べ上げて「こんなに贅沢してるじゃないか?!」と非難する、それも愛国心や正義を掲げながらやっているのですからあまりにも質が悪いし、むしろ愛国心を汚す行為と言ってよいでしょう。

→ 次ページ「弱者は弱者に冷たい?」を読む

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西部邁

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コメント

    • 旅丘
    • 2016年 9月 18日

    続けて言えば、ここで問題なのは、本当にうらら氏は「貧困」なのか?
    「貧困」をビジネスにして、本当の貧困を蔑ろにしているのではないのか?

    10年ほど前ですが、「おにぎりが食べたい」といって餓死した日本人がいる一方で、うらら氏のような、この程度の「貧困(?)」が声高にNHKのような強力なマスメディアを味方につけて被害者アピールしているような現状を、一体どう思っているのでしょうか。

    • 旅丘
    • 2016年 9月 22日

    うーん、記事を読んだら、ちょっと問題点がズレてるような気がしました。

    貧困であっても多少の贅沢を楽しむのは大目に見ていいと思いますが、(それにしても、私はちょっと度を超えていると思いますが…)最初から貧困をビジネスにして、弱者ぶればいくらでも金が貰える、というような、そんな世の中になってはいけないと思います。
    生活保護などはまさにそうで、「本人が本当に困っているかどうか」で判断されるべきところですが、現実としては、サヨク系団体がヤクザまがいの圧力団体として機能してしまっており、役所もそれが怖くてなかなか正しい判断を下せない現状があります。
    役所からしたら、訴訟を厭わない暴力団まがいと対立するのが面倒くさいから、被害者ぶる奴らにばっかり金を渡し、本当に困っている日本人には決して生活保護を渡さず、時には餓死すらさせる、というような状況が出てしまっています。

    ネットの怒りも、「ちょっと気が緩んで他人のお金で生活してる身なのに少し無駄遣いしちゃった」というケースではなく、「遊ぶ金ほしさに、被害者アピールして、訴訟等をちらつかせて役所から金を脅しとる」といった、貧困ビジネスのケースに対してのものだと思います。

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